[携帯モード] [URL送信]

短篇
球-8
がひゅ、ごひゅ、と肺の中に溜まっていた息を強引に押し出されて情けない声が溢れ出る中、ぐじゅ、と衝撃と共に人間は貫かれている。
存在を存分に主張する竿と玉によって視界が塞がれてはいるが、そっとその分厚い両手が腰に添えられて、深くまで捻じ込まれた。

「かは、ぁ、っ……!」「……良い、ぞ…」

寡黙な黒竜人はほんの僅かな言葉に上ずった調子と辛うじて堪えている意識を現していながら、
ぱちん、と人間の尻肉には引き締まった玉袋が音を立てた。何とも言えない嬉しさがほんの少し湧き上がるが、それ以上に。
事前の説明は半分受け止めてくれているらしく、攻撃的な一部の獣人竜人用の厚手の避妊具を纏った感触である。
表裏にたっぷりと塗り込められた潤滑剤と、解した甲斐もあってか押し拡げられる人間の尻孔は裂けていない。

ごりごり、と破れるのを防ぐ為に装着されたゴム越しにも、その突起と巨大さ、睾丸の漲りは何処までも鮮明に感じ取れた。
そして間近では呻きに反応する様に、たっぷりと先走りを人間の顔に垂らしている蜥蜴人の竿が滾っている。
どこまでも強く蒸れた風味と合わさった雄の香りに、肉を犯される音を感じながら決して顔を見る事が出来ない。

「はあ、ぁ…や…ひゃ…ぁおっぉ、っ……!」
「……どうなんだ、これは…っ」「気持ち良さそうにしてると思うけど…おーっと」

無遠慮に腸内を抉じ開けられながら、当然の様に前立腺はゴム越しにもがむしゃらに押し上げられ、勃起は保たれて続けている。
先程達したばかりの肉棒は空打ちをしているかの様に何度も脈動を続けてしまいながら、快感としてやがて衝撃を認識する。
あまりにも強烈で鮮烈、目の前で揺れ動いている先走りをやがてだらしなくはみ出た舌先で受け止めようとして。

差し出した舌先と人間の口元は、微笑みを浮かべている蜥蜴人によってさりげなく止められてしまった。
呆気に取られた表情も、ずん、と再び貫かれた深さによって言葉は何も封殺される。

「君の唾液が付いちゃったらちゃんとしたデータが取れないって…だから、もう少しだけお預けだね」
「む、ふ、ふーっ…ふぁ、あぁ…か…き、ひ…ぃぃぃぃ、っ……!?」
「うぐ、おぉぉお、っ」

猛烈な叫びではなく、収まらなかった様な声色を溢れさせて、竜人が達したのが分かる。
人間には見えていなかっただろうが、僅かに下腹部にまでぼこり、とその先端の形状を膨らませている程の深さの中。
汗ばんでいた肢体の中に向かってではなく、きっちりと嵌め込んでいた避妊具の中に煮え滾る精液が溜まっていく。

勿論、人間の尻肉に押し付けられたままの玉袋は、見事に引き締まって硬くなった感触をぐいぐいと押し付けたまま。
分厚い造りであってもお構いなしに、熱気が膨れ上がって腸内を満たす感覚から、細かな竿の脈動と同時に触れる快楽まで鮮明に感じるものだった。
ごぼん、と詰まった音と共に丸々と膨らんだ精液袋を引っ提げて、竜人の精液のサンプルはたっぷりと用意される。

採取に使用されたと言ってよいものだろうか、人間の尻孔は綺麗には閉じ切っておらず、細かな肉を蠢かせ、潤滑剤に濡れた内膜を晒し出していて。

「じゃあ、今度は自分の番…そこまでやって、味わっても良いからね…?」

[*前へ][次へ#]

8/12ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!