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短篇
球玉-7
見慣れている上に弄り慣れていると言えば何も否定は出来まい。
しかしながら今の様に、顔に押し付けられながらまた別の袋が自身の逸物を挟んでいるというのは極めて初めてで、実に濃密だ。

ふむ、くふう、と吐息を溢れさせている目と鼻の先には、焦点が合わないぐらいの近さで雄の縦割れが蠢いているのが見える。
そして竜人は体重をかけないままマットレスの上に人間の身体は磔になった様で、裏筋に生やされた毛並みがブラシの様に磨き上げている。

「っ…〜〜…!」
「よっと…どうかな?気持ちいいんだったら、このまま続けても良いかい?」

産毛の生やされている人間の肌で、柔らかい唇とで蜥蜴人らしい生臭さと雄の風味、何よりも玉袋の熱気と張り巡らされた皴の感触。
震える身体に合わせてゆったりと竜人も腰を揺らし、ローションが塗られていた股間は扱かれてぐちゃぐちゃと音を立てている。
気持ちいいかどうかではなく、純粋に刺激されたならば嫌でも反応してしまうのが身体であり、本能的なものもある。
竜人が腰を揺らして玉を押し付ける度、同じく蜥蜴人が密着を強めては離れる縦割れの末端と玉袋の蠢きが。

「はふ…ぁ、ぃ……」「…良かった」
「んぐぅぅっ……!」

自然と先程竜人の引き抜かれた裏筋の毛並みには人間が溢れさせた先走りが溢れ出る様になる、感触の微細な違いさえも感じ取れる。
その皺だらけの皮の中で確かに蜥蜴人は蠢きながら興奮して、みるみる縦割れが綻び内側から強い雄の風味を垂れ流す様になった。
竜人の玉袋はぎゅっと引き締まった感触と共に、一層身体を押し付けて中身の詰まった重たさで竿を緩く押し潰す。

「ぐっは、いぁ、あぁぁ…っ……!」

ぐりぐり、と竜人が腰を押し付けた弾みに、人間の股間からは体格相応の玉袋がぎゅっと引き締まり、
精液の昂りを割れてもいない薄い胸板から腹部にかけて垂れ流してしまった。青臭い匂いは彼らの纏った獣臭とは明確に異なる。

「……よしよし、ちゃんと感じてくれたみたいで…何よりだよ」

言葉と共に人間の視界は更に塞がれる事になる。ずりゅりゅ、と音さえ立ちそうな雰囲気と存在感を示して、
蜥蜴人の逸物、基本的には一対二本のヘミペニス、と呼ばれる特有の器官であったが、蜥蜴人の場合は一本だけだ。
腹側を含めても白い体表と比較して、人間の文字通り眼前で口を開いた肉色は恐ろしいぐらいにグロテスクに見える。

「ふー…んふ…っ…ぷは、あっ……!」
「わりと驚かれる事が多いんだけど…精液の量を調べるんだったよね…?」

二本が繋ぎ合わさったかの様な重厚さを備えた竿は既に蜥蜴人の腹を打ちそうな程高らかに屹立し、
窪んだ先端から濁った先走りを溢れさせながら裏筋と側面に不均等に並ぶ突起を蠢かせている。
まさしく別の生き物が口を開いているかの様に四つの突起が先走りを垂らす窪んだ先端の周辺に盛り上がっているではないか。

美しく見えている蜥蜴人に、汚らしいを通り越して悍ましい存在が強引にくっついているかの様な不釣り合いさがあった。
と、雄臭さに浮かされている人間の頭が、理性を抱いて動き始める。今の様に、本来精巣が露出していないならば、その意味がないという事。
逆に、彼等が精巣を外に露出させている理由ではなく、させなければならない理由。精巣自体のサイズが関係しているのならば。

本来の種族以上に、性欲が旺盛な身体の造りをしているのではないか。
当然の内容が頭に浮かんだ時には、既に竜人はその先端を人間にあてがって、既に腰を止める気は少しもなかった。

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