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短篇
球玉-6
そんな話ではないとは、きっちりと伝えて了承していた筈であるにも関わらず、身体が抱き上げられたまま、頬擦りをされている。
すべすべとした滑らかな鱗の感触に縦に割れた瞳孔が何とも楽し気に間近で見られているのを感じながら、身体を暴れさせられない。

「あの、これから自慰後の変化を調べるって話じゃなかったんですか!?」
「そうするつもりだけど、見られるよりは、楽しい方が良いよね…」「あの、本当こういうの駄目で…ひや、あーっ」

当然人間と獣人との間に備わっている力の差を覆せる筈もなく、しかしながら爪を立てられない下限をされながら。
僅かに暴れている動きも鱗の質感と落ち着かせる様に首筋や背中に触れる手触りに、寧ろ抵抗が無駄だと分からされてしまっている。
竜人の方も何か動きを固まらせているが、その縦割れからはぐぐぐ、と肉を見ろ上げて、間もなく竿が露出してしまいそうな様相を見せている。

「本当、あの…こういうの、その…えっと、何て言えばいいのか…」「初めて?」
「いえ、いえそういう訳…じゃ、ない、んですけど…」「じゃあ、落ち着くまで暫く待ってあげるから」
「……ええ、ふんっ」「おっと」

不意を突かれて暴れようとしたが、呆気なく押さえ込まれながら、あくまで穏やかな瞳孔は確かに人間に慈しみを持つ様でもある。
故に怖くもあり、変な抵抗は出来ないものと分かるには十分であり、するり、と尻を撫でる手つきに思わず声まで溢れた。

「……優しくするかどうか、は分からないけど、無理はしないから…ねえ、君もどうかな?」
「……まあ、構わないぞ」「いや、ちょっとそこは否定するとか、せめてこういう場面は優しく、うわ、あぁーっ…!」

竜人も乗ってしまったとなれば、当然の様にそこにあるのは多対一の一方的な蹂躙、にほど近い柔らかな強制。
分厚いカーテンと施錠されていた部屋はデリケートな行為を行うからとの人間の配慮で、誰も寄り付いていないもの。
何よりも学問を志す者として、念の為と用意されていたマットレスも、みるみる人間の前で膨らんでいくのであった。

「さ、最初、からっ…こんな事、する気だったんで、すか…あぁ……」
「半分くらいはそう思ってたけど、可愛く思ったからねえ」「……そんな気は無かったが、今となっては…」

既に竜人の方は竿を縦割れから露出させており、人間の前で血管を走らせみるみる隆起しているのが見えている。
蜥蜴人の方もまた緩く露わにしているもので、殆どの衣服を脱がされた人間の尻孔に、蜥蜴人自身の服の中から取り出したローションを塗り込んでいる所だ。

手製だから安心して、と言っている間に、塗り込まれた箇所がやたらと熱を帯びるのを感じる。
手付きも優しく、腕を握り締めて来るのも受け入れてくれる。あまりにも優しくて、そしてあまりにも咄嗟で、計画的。
流されてしまったならきっと、と人間はまだ諦めきれてはいないが、蜥蜴人は更に動いている。

「よいしょっと」「な、むっふ、ぅぅっ」

仰向けに寝転がされた身体を見下ろせないまま、マットレスの上、人間の頭の両横に膝が深く埋まり、
人間の顔自体に、蜥蜴人の玉袋がたっぷりと押し付けられた。噎せる様な雄の香りは、清潔にしてくる様言った通りに純粋なもの。

「噛まれるのはちょっと怖いけど…でも、気持ちいいよ…」
「じゃあ、俺は…」「ふむぅぅぅっ」

ほぼ完全に視界を塞がれている合間に、たっぷりと詰まった感触が諸々の刺激で立ち上がった人間自身を挟み込んでいた。
身体にそれ程の負荷は掛かっていないが、何を受けているかとは、生々しく、そして強引でも嬉しさは確かにあり、
その上で猛烈な雄に、蝕まれていく。

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