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短篇
球-5
「…こうして見ると、やっぱり違うんですね……」「そうだねえ…どこがどう違うのかっても、書くのかい?」
「ええ、調べたいとは思うんですよ…こうして見付かってくれたのも、嬉しいですから」「ははっ」

竜人が縦割れの真下に携えた袋にぶら下げているのに反して、蜥蜴人は縦割れの左右に引っ掛かっている様に垂れている。
気さくに笑みを浮かべる蜥蜴人の股間と今も股間を押さえている黒竜人にこれだけの差があるのかと、内心で気になりながら。
流石に急過ぎたのか、竜人の視線をなるべく意識しない様にしながら、失礼します、と蜥蜴人の袋に触れる。

大きさと弾力、中身の詰まった重厚な感触は竜人と変わらないが、玉袋よりも相当感触が異なっているとは手触りから知る。
微細な手触りまで感じておきたかったので、当然の様に人間は素手で他人の股間周りを触れて調べていた。
指紋の備わった滑らかな指触りがどれだけの刺激を齎しているのかとは、まだ理解は出来ていないだろう。

「なるほど、毛の類は無い様ですが…凄い興味深いですよ、ほら…」
「あう…そんなに気になってくれるなんて、さぞかし俺は珍しいだろうね……」

蜥蜴人の言葉を他所に、人間は平然と蜥蜴人の玉袋を摘まみ上げて引っ張った。僅かに呻きが溢れたが、人間は気にしない。
元々急所を好き放題に弄る分、痛みやらが走ったならば不意を突かない限りは動かないとは本能的に知っている。
竜人の様に。一方で指先で摘まみ上げた袋は、中に蓄えた精巣の大きさ以上に遥かに伸びている。

鬣を備えている蜥蜴人の割合は竜人よりも圧倒的に少ないものであり、蜥蜴人のそれも全くの無毛だ。
一方で袋の表面積は竜人のそれよりもずっと広く、細かな襞がびっしりと睾丸自体を覆い尽くしているのだ。

「それで熱と寒さから精巣の機能を守ってるんですよ…多分、ええ、そうですよ」

竜人よりも垂れ下がっていない具合まで丁寧に確かめながら、食い入る様に見据えている竜人達を他所に深くに入り込んでいる。
蜥蜴人が人間の事をどんな目で見下ろしているのかも、全く気付かない風に。

「量まで調べたかったんですけど、もうこれだけで十分な気もしますね…ええ、今日だけなのは少し」
「へえ。どんな量を?」「比較実験ですね、精巣の活動に合わせて、とか…貴方達みたいな方は精巣露出してないので、今いち分からなくて」

竜人で試そうと思ったが、動画まで撮らせてくれとのお願いが強く断られたので断念したのを思い出しながら。
実際に使ってみた時にどれだけの変化をもたらすものなのか、純粋な興味と知識欲だけで何気なく呟く。
ちょうど、深緑の彼に話しかけていた様に。学部から年齢まで違うかもしれない相手に対して。

「じゃあ、教えてあげようか…君の身体でね?」「…えっ」

気が付いた時には、蜥蜴人の身体はぐっと近くなり、と言うか人間の頭にそっと手を添えて。強引に上を向かされている。
竜人がやや驚いた表情を浮かべている合間に、呆気に取られた顔の人間は立ち上がらせられ、そのまま身体を持ち上げられていた。
もこもこと蜥蜴人の縦割れが内側の肉を晒しながら、精巣が細かに揺れている。興奮を現している様に、生暖かい吐息が人間の顔に浴びせられて。

「……良いよね?うん、良い筈だ」「いや、あの…えっ?」

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