[通常モード] [URL送信]
再会ハ突然ニ


「桜木さん、でしょうか?」
「ハイィィィイィィッ!!?」


背後から急に声がし、素っ頓狂な返事をしてしまう。
犬?犬がしゃべったのか!?なんて変な事を考えながら

ソロリ、後ろを振り向き。

「桜木和泉さんでしょうか?」

和泉の変な行動に全く表情を崩さない男の人
格好から考えて、この屋敷の執事さんだろう。

「え、あ、はい。そうです?」
「ようこそ、土方家へ」

案内いたします。そう一言いい、スタスタと歩っていってしまう男の人
その後ろを小走りで着いて行く。


歩く度に茶色の髪、低く一つに結われた長い髪が揺れる。

男の人なのに綺麗だなぁ……
そんな感想を心の中で述べながら、着いた場所は大きな扉の前

………屋敷自体デカイけど、扉もデカ。

扉の前に来るまでの部屋の数はうん十個。
途中で数えるのが嫌になりました、多すぎますコノヤロー

コンコン、と良い音を立てながら扉を叩き


「山崎です、新しい使用人を連れて参りました。」
「……入れ」

羊…間違った、この執事さんは山崎と言うらしい。

扉の向こうから聞えた声。
凛、として低く透る声。

そんな声にドキッと胸が鳴ったのは、なんでだろうか?


ギィッ。音を立てながら扉が開く。
白い光の世界へと目を奪われるが、それは一瞬で

大きな窓、その前に佇む男の人


短くも無く、長くも無い。
そんな漆黒の髪を揺らしながら、振り向く

その姿に目を奪われ、あたしの姿を映した菫色の瞳にまた目を奪われる。

(……っ、この人………!)


【また、逢おうな】


あたしの頭を優しく撫でてくれた

光に当てれば、色んな色に輝くビー玉をくれた。


(あの時の男の人……!)



[*マエ][ツギ#]

2/8ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!