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四、


見た事があるようで無い天井


視線を下へ動かせば、ジャンプと大きく書かれた雑誌があって


懐かしいテレビの音、車の騒音、





「……もふもふの天パだ」

「なにがもふもふだ、もふもふは定春なのー」


やーっと起きたか。とめんどくさそうに言う銀髪の男

やっぱり、夢じゃなかった。


「んとによーそんな怪我でよく人に飛び蹴り出来たなぁ」

「あーすんません、必死だったもので」


気を使ってくれたのか、刀があたしの横に置いてある

あたしの愛刀"桜華"じゃない
あの人の愛刀


「俺ァは坂田銀時。あんたは何であんな所に居たんだよ?」

「分かんない」

「…分かんないっ!?」

「知らない内にあそこに居たし」





『アンタは死なれると、困るネ』




その声と共に体が引っ張られた

あの人の側へ行こうとしたのに



「銃で撃たれ、知らない間にあそこに居たねぇ……
何、あんた銀行強盗でもしたの?」

「アホか、んなもんしねぇよ。
Parallel Worldって知ってる?」

「んぁあ、アレだろ?
二次元にトリップしちゃった!キャハッ!だろ?」

「そんなテンション高くねぇー
……とりあえず、それがあたしの現状。
トリップしちゃった!キャハッ!」

「ノってんじゃねぇか!!」




Parallel World




いわゆる、漫画の世界

自分がいた以外の世界



「で、あたしは現実世界にいて、銀さんたちは漫画の中の世界ってこと」

「…んじゃアンタはあっちでケンカして、知らねぇうちにこっちに来ちまった訳か……
その割には落ち着いて見えるんですがねー」

「焦っても何もないしー銀さんに逢えたしー」


満足!と笑えば「大人をからかうんじゃありませんっ!」と頭をグシャグシャ撫でて来る

……少し似てる、あの人に。


「帰る家がねぇなら、うちに来いよ
うるせぇ餓鬼が二人、あー知ってか。
まぁいるしデケェ犬も一匹居るけど」


万事屋銀ちゃんがアンタを元いた世界へ戻してやるよ。

気だるそうな声でも、説得力がある気がするのは銀さんだからなんだろうな


「ただし!タダ飯は食わせねぇかんな!
うちの従業員として働いてもらう!

いいか?」

「I See!!
あ、名前は桜木和泉ねー」

「和泉かー、男みたいな名前だな」

「黙れ天パ」




.


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