二十、
「作戦はこうッス、まず春雨の船に乗り込んで…」
「んな簡単に乗り込めるかよ!?」
「大丈夫ッス、先に万才さんが乗り込んでるッス」
「あれっしょお通ちゃんの作曲作詞やってる人」
「え!?ちょっマジで!!?
そんな人が何で鬼兵隊にいるんですか!?」
「私の一番はお前の父ちゃん××アルヨ!!」
ギャーギャー騒ぐ餓鬼どもに溜息を付く
……緊張の欠片もねぇ、喧嘩売りに行くってのによぉ…
「……オイ、和泉」
「んーなんですか?」
名前を呼ばれ振り向けば、フーっと煙草の煙を吐く高杉が
無駄に色気を振り撒くの止めて欲しいわーと思いつつ
「お前は俺と一緒に来い」
「イヤ」
ピキッと額に青筋が立つ音がするが、まぁいい。
嫌なものは嫌なんだ、黙っていてもどうせ顔に出るし
「あたしは一人で行く」
「「駄目だ」」
声が無駄に揃い、銀さんと高杉は睨み合う
猿と犬、犬猿の仲ってこういう事を言うのか
「んじゃ船で大人しく待ってるよ」
足手纏いになるのは勘弁ーとケラケラ笑う和泉
その言葉に少し安心し、破ったら一ヶ月おやつ無しな。と言えば
「護る護る!約束護りますとも!!」
10分くらいは。と小さい声で聞えたのを空耳と勘違いした俺が馬鹿でした
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[*前]
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