二、
「銀ちゃん早く早くアル!!」
「早く来ないと置いて行きますよ!」
「うっせぇ!おめぇら元気良過ぎだろ!!」
まぁテンションが上がるのも無理はねぇか。
そう思い上を見上げれば……桜が大空へ舞い上がっていて
「純粋に、綺麗だと思っちまうじゃねぇか」
儚げな桜
この桜の花弁は何処に行っちまうんだろうなぁ……
「銀ちゃーん!」
「んだよ、折角人が癒しに浸ってときによー」
「はいはい、癒しはいいですから。
ところでコレ、刀ですよね?」
「あ?刀?」
新八と神楽がどっから見っけて来たのやら。
使い込んだ、それでも手入れの行き届いている刀
大事に使っていた事がよく分かる
「んだぁーこんな大切なもん忘れてった奴はー」
つか廃刀令の出ているこのご時世に持ち歩くか?
そんな疑問を持ちながら鯉口を切ろうと手を掛けた
―――瞬間
「汚ぇ手でその刀にさわんなボケェェェェェエェッ!!!!!」
桜花が吹雪き荒れる中
誰かが、俺に飛び蹴りを喰らわせる
「ヘブシッ――!!?」
ズサァッと滑り込み、変な声を出しながら振り向けば
「てめぇが触っていい様な刀じゃねぇんだよ天パが!!……天パ!?天パって、え゛!?」
桜に栄える、漆黒の髪
真紅の、紅色の瞳
透ける様な、白い肌
純粋に、綺麗だと思ってしまった
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