十五、
「ハァ?紅桜……ってオイ、また作ったのかよ
お兄さんもう無茶したくねぇんだけどぉー」
「違う、私が作ったわけじゃなくて……春雨って奴等が」
兄の残した紅桜の作り方を奪っていった。
そう、力無く言う鉄子
紅桜
言わずと知れた、妖刀
それを巡って戦ったのはちょい昔
「で、俺にどうしろと?」
「できれば紅桜を壊して欲しい
そしてもう二度と作られないように、兄の書いた作り方を捨てるっ」
「あのなーもう俺は怪我をすんのは勘弁なのー
つか春雨ならチンピラ警察にまかせりゃいいだろうが」
新八が入れたお茶をゴクンと飲み、鉄子の表情を伺う
「でも、紅桜に真選組が敵うとは思わないし……」
お願いだ。と頭を下げられ、どうすっかなーと頭をボリボリ掻く
和泉なら突っ込んで行きそうだし、餓鬼二人も危なっかしい
ヅラに貸しを作るのも癪だしなー
あ゛ー。と頭を抱えていると玄関からガチャガチャと音が
「旦那ッ!!!」
「オイオイ、どうしたそんなに慌てて
総一郎君らしくねぇなー」
今はツッコミ入れる暇なんてない!!と叫ぶ総一郎君
何かしたのか?と問えば
「和泉がッ、和泉が高杉に攫われやしたっ」
「……ハァッ!!?」
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