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十四、


神無月

そこら辺にいる神様達が出雲へ行く月の事で
実際行ってるのかは、知らないけども


「寒ッ!!まぁジャンプの為だ!」


漫画本の神様だったら崇めてもいいかもしれない。

そんな事を考えながら外へ出れば秋の風
季節の変わり目は嫌いじゃないから気分はいい


「こないだまで夏だったのになー」


夏、神。といえば神威……嫌な思考だなぁと思いつつ
あいつがあたしをこの世界へと連れてきた事は分かった。
帰り方も神威が知っている、あの人の生死も知っている

だからなるがまま、春雨に乗り込もう。そう思った、けど




『和泉が行くなら俺も行く』




いつもとは違う、目の中に光が篭った銀さん
駄目だ。と言って聞くような人じゃないのは漫画を読んで知っている

……関係の無い人を巻き込みたくない
真選組も、新八、神楽ちゃんも……


「これはあたしの問題だ」


だから乗り込むのは止めた。
あたしを意図的に連れてきたのなら、その内痺れを切らして攫いに来るだろう

その時が、チャンス。


「ってもその内って何時だぁぁぁッ!!」


うわぁぁぁあ!!とコンビニ帰りに行き着いた公園で、餓鬼んちょどもと走り回る


「うわぁぁぁあ!!和泉がご乱心だぁぁぁあ!!!」

「逃げろぉぉぉ!!
チャイナより手強いですぜィ!」

「……ドS王子の方が手強いですぜィ」


仕事どうしたー仕事。と溜息を付けば


「マヨラーに押し付けてきやした」

「どこの土方さんでも扱いは同じだね」


黒いオーラを放つ総悟にうわぁ…と思いつつ
逃げ去ってしまった子供を追いかけようと歩き出す


「ほら、隊士の仕事さっさとするー
見廻りも大切な仕事だよー」

「いいんでさァ、今日は無礼講ですぜィ」

「あんたはいつも無礼講だろうが」


んじゃ鬼役手伝ってよ。と言えば了解と何故か刀を抜き始める訳で……


「ちょっとーお兄さーん、何故物騒な物抜こうとしてんのー?」

「鬼をぶった斬るんでやしょう?
ならコレで一発「駄目に決まってんでしょうがぁぁぁあッ!!!」」


駄目だコイツ……と思った

――――その時だった




キィィィィン――――と金属がぶつかり合う音




「ほー俺の一撃を止めるなんざ……面白い女も居たもんだなァ」


殺気を感じ、瞬時に木刀を振りかざせば…案の定。

クックックと喉で笑う、女物の着物を着こなし傘で顔を隠す男
一気に下がり間合いを取れば、総悟が斬りかかる

が、軽く避けると同時にガッと急所を突かれ


「ガハッ?!」

「総悟ッ!!!」


ドサッと音を立てながら総悟が倒れ込む


「女、俺と来い」

「HAッ、誰がスカした破壊王と行くかっての!!」


つか何でどこに行っても狙われんだよぉぉぉお!!!と叫び、木刀を構える

……が、


「いいからさっさと来るッス!」


ガチャっと嫌な音を立てながら、後頭部に突きつけられた銃
こりゃ、ヤバイ。と思い、木刀から手を放す


「Shitッ、また子かい……
あー、鬼兵隊全員集合ーか」


見えないが、人の気配が10、20はある
平和ボケしたかなーとケラケラ笑い、なるがままに着いて行く



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あきゅろす。
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