十二、 「アイス美味しっ!」 後を着けてきて、到着したのは 初めて和泉と逢った桜の下で 「んとにさーいつなったら約束守れんのかなー?」 一人笑顔で話す、和泉に少し引く 「……なに独り言言ってんだあいつ」 「暑さで頭壊れましたかねェ?」 「つか俺もアイス食うわ」 「食ってんじゃねぇか!」 「土方さんの分はありませんぜィ」 てめぇら!と瞳孔開き気味のトッシーをスルーし、和泉へと視線を戻す 「……っ歳三さん」 いつもは元気一杯で、神楽や新八、俺と馬鹿騒ぎしているお気楽な奴なのに ぎゅっと刀を抱きしめる姿は、儚げで…… 今にも散ってしまいそうで…… 「―――和泉っ!!」 おめぇの名前を叫び、走り出そうとした ――瞬間、 『やっとみつけたよ、紅桜鬼』 櫻色の髪が俺の目の前を横切り、和泉の元へと物凄い勢いで向っていく 「和泉ィィィィィッ!!!!」 . [*前][次#] |