[携帯モード] [URL送信]
十、


「ちょっとー多串君ーいつの間にうちの和泉ちゃんに手だしたんだよー?」

「返答次第では斬りますぜィ、つか斬る」

「俺はまだ何もしてねぇェェェ!!」

「「まだってなんだまだってェェェェ!!」」




『土方は姫を奪ったから嫌い』




清太というあっちの住人

土方が嫌い。というのはどういう意味だ?
あいつ、自分の事はしゃべんねぇからなー

…はぁ、と溜息をつき酒を一気に飲み干す


「銀時、飲み代はあるんだろうね?」

「そこの多串君が奢ってくれっとよー
で、ババァ何か聞いたか?」

「あぁ、和泉はあんたと違っていい子だからね、ほら」


お登勢から渡されたのは二枚の紙切れ

何が書いてあるのかとよくよく見れば……



【紅色の目、黒髪の女を探してます。
報酬アリ!見つけた人は 春雨まで!】



「……春雨、か」


春雨と言ったらいい思い出なんてねぇな
つか何だよ、この文面、テンション高くねぇか!?


「春雨……もしかして和泉が探してる奴か?」

「いや、あの人は多分こっちに来てねぇって言ってたし、第一春雨に入るわけがねぇってよ」

「二枚目のやつはなんですかィ?」

「今までのこっちへ来たらしい人の名前と、人数だよ」


此処まで調べるのには苦労したねぇ。とタバコを吸い始めるババァ

フゥーと煙を一つ吐き、難しそうな顔をする


「ただ、一つだけ気になったんだ。
和泉が来て、三ヶ月経ったろ?」

「あぁ、それがどうしたってんだよ?」

「……あの子がこっちに来た以降、誰一人として来て無いんだ」


結論からして、意図的にあの子は連れてこられた。

その他の、前の奴等は、練習、実験。


「……多分だけどねぇ」

「ものっそ二次元的考えだな」

「土方さんが得意な分野じゃないですかィ」

「俺はメタモルフォーゼオンリーだ」



意図的に、誰かに連れて来られた


春雨が和泉を探し回っている



「……護ってやるしかねぇか」




.


[*前][次#]

10/20ページ


あきゅろす。
無料HPエムペ!