一、
白銀を纏いし男
護りたい、あたしだけが刀を握って戦いたいのに
「おめぇの刀、貸してくれ」
俺のをおめぇが持っててくれ。
そう自分の愛刀では無く、あたしの刀を構え敵を斬っていく
あたしも同様
あなたの刀を握り締め、戦っていた筈なのに
飛び交う真っ赤な鮮血の中
ダンッ――!
一つ、
ダンッ―――!
二つ、
「かはッ!!」
「歳三さんッ!――ッう!!?」
二人の腹から滴る鮮血
顔を歪め、傷口を押さえ込みあなたの処へ行こうと……したのにっ
『アンタは、死なれると困るネ』
グィっと腕が引っ張られる
ふわっっと体が浮く
「イヤだッ!歳三さんッ歳三さんッ!!!」
自分の意思とは反対の方へ
顔を歪めあたしの名前を呼ぶ声
「和泉っ―――!!」
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