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清城学園
12
どのくらいの時間が過ぎたか、ハッキリ言って如月は上手かった。キスだけで腰砕けになる程に…。

そう、腰砕けになる程に!!!

ハイ、立って居られなくなってしまった俺です。
恥ずかしい事に、如月に体を預けている状態である。
しかそれを良いことに、如月の手が俺の腰をなで回し…。

バンッ!!

「如月いいぃぃぃ!犯罪だからっ!!!風紀委員長ともあろう者が強姦とか笑えないからっ!」

そう言って現れたのは風紀副委員長だった。
ってか、何で今の状況分かってんの?
見てたのか?

「テメエ…よくも邪魔しやがったな……」

目の前に魔王様が…。
副委員長もここまでか?とか思ってたら、他の風紀委員まで入ってきた。
むしろ雪崩れ込んできたと表現した方がいいような気がする。
余りにも可笑しくてコッソリ笑ったら気付かれたのか、風紀委員メンバーが驚いた顔を向けてきた。
もちろん目の前の如月もだが。
それからの如月の行動は早かった。
俺の後頭部を掴んだかと思ったら、ぐいっと引き寄せられる。
そして俺の顔は如月の胸元に埋もれてる、状態である。
なんか如月の空気がピリピリしてる気がした。

「テメエ等、今見たの全部忘れろ。イイナ?」

地を這うかの様な低い声。
胸元から顔を出し、風紀メンバーを見たら、頭もげるんじゃねーの?ってくらい激しく頭を上下させていた。
一人風紀副委員長を除いてだが。

異様な光景に目が点状態になりつつあった俺だが、如月の携帯が鳴り、「あんのくそヤロウがっ!!!」と、イキナリ叫んだ事によってそれは無かった。

「食堂で乱闘事件だ。行くぞ」

そう言った如月に手を捕まれ、食堂まで連れられる。
勿論風紀メンバーも後をついてきた。
食堂に着くと、中央付近に凄い人だかりが出来ていた。
迷いもなく如月が人だかりに向け歩いていく。

「風紀だ、テメエ等退け」

いや、その前に俺の手を離せよ…という言葉は出せなかった。
一気に割れる人だかり。
そこに現れたのは、紛れもない生徒会長で、しかもその姿は余りにも酷いものだったから。
声も発せず会長を見ていたら、会長も俺に気付いたのか目が合った。
苦虫を噛み潰したような表情をし、目を背けられる。
会長の口端は殴られたのか血が滲んでいた。
そして、会長の向かい側に立ってた生徒、義也と目が合うと、鬼のような形相で睨んできた。

「龍哉さえ居なきゃ昶は俺を好きだって言ってくれる…。ただの気の迷いだったって分かってくれるんだ」

そう言いながら俺の方に歩いてくる義也に俺は恐怖を覚えた。

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