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清城学園
10
翌日会長は昨日の事が嘘の様に、いつも通りの態度でやってきた。
いつもと違う事と言えば
会長の後ろに他の役員が一緒に来ていると言うことくらいか…。

義也も楽しそうで、見ているのがバカらしくなって窓の外へ視線を向ける。

まさか隣の校舎の奴と目が合うなんて思わなかった。
しかもソイツは一般生徒、とは言えない存在。
風紀委員長の如月啓だ。
ずっと見詰めてくる視線に目が反らせない。
結構離れているはずなのに。

と、今気づいた。

昨日会長に連れられた中庭は俺のいる校舎と如月のいる校舎の間じゃないか?

…見られてた……?


「まさか…な」

その時俺の持ってる携帯が振動した。
数日前ちょっとした問題を起こし、登録したくなかったのに無理矢理登録させられたアドレス。
―如月啓―
恐る恐る開けば、《放課後風紀室》と短い文。
頭痛がした。

絶対見てやがったに違いない。

生徒会長と風紀委員長はかなり仲が悪い。
何故か俺は風紀委員長に気に入られているらしい。
風紀室で昨日のことを問い詰められるんだろう。

放課後の事を思うと頭痛が更に酷くなった気がして、机に突っ伏する。

義也と話してた筈の会長が俺をずっと見ていたなんて気付かずに。


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