Hazardous tea time



微エロというか、先に謝らせて下さい。



コロネロは、とても警戒心が強い為、内鍵も指紋認証のドアなのだ。流石に彼の屋敷全部がではないが、少なくとも今現在、この屋敷のセキュリティシステムを酷く呪った。こいつは、リボーンと比べたら純粋でいつも全力で、黒くないからこそ惹かれた。アルコバレーノのメンバーは捻くれ者が多いから余計にコロネロは眩しく見えたのだ。
そう、だから私はコロネロのくれるものなら 拒否しな いのよ。ああ…コロネロは純粋かもしれないけど馬鹿ではないんだった。


「…っぁ…こ、ころね、ろ」
「なんだ?」
「離れて…って…ば!」
「理由を教えろ、コラ」

こ い つ 。睨み上げるとにやにや笑って私の顎のラインを伝って頬を緩やかに撫で上げる。軍人らしい骨張った手は私の体温を更に上昇させてゆく。

「…あんた、いつの間にハーブティーに媚薬を 仕込む術習得したわけ…」
「さぁな。別に俺は媚薬なんか混ぜちゃいないぜ?」
「でも、… っああもう…コロネロ!」
「なんだよ」


ふらふらと私は気力で立ち上がり、狭いスペースの給湯室を目指して歩いた。あっつい。コロネロは普段こういうのを使ったりしないから、まるでサウナの中にいるようなじっとりした熱が放出されないまま体内に篭っている。
そこの引き出しや棚を隅々まで見ても、確かにそれらしき瓶や箱は置かれていなかった。否、用心深い彼は私が探そうとするのも見通して自分の服の中に忍ばせてあるのかもしれない。またコロネロのところに戻らなくてはいけないのか。熱が抜けるのを我慢するつもりだったのに、きっとそれでは耐えられない。

(なにか…冷たいもの、は)
どこかに ない、の ?

視線の先には蛇口。水温を一番低いところまで動かして、力任せにレバーを下げた。冷水は温水に比べて水の勢いが強い。少し強く、叩きつけられるような水を手の甲に感じて、心地良かった。立っているのがしんどくなって来、かくり、とその場に膝を着けた。右手を水道に、左手はシンクの淵に適当に乗せた。

不意に、ガサリという音がした。


「… 何、この、お茶」

ハーブティーと英字で表記されているこれは、もしかして私に飲ませたソレなのだろうか。視界が上手く定まってくれないけれど、左手で掴んで必死に裏面の文字を目で追った。


「ホワイ ト、くろ」
「別名…ホワイトクローブ。クラボワスカ…って知ってるか、コラ」
「…ひっ…あ、あっち行ってて…!」


膝立ち状態の私の真後ろに立って、耳元で呟かれた。低く、立ち込めるような熱を耳に噴き当ててくる。やっぱりこいつもアルコバレーノだ。単純馬鹿だと思っていた私が悪かった。
クラボワスカは図鑑で見た事があったような気がした。アマゾンなんかの熱帯地方に自生してる大きな蔓植物だ。鎮痛作用があるらしく、歯痛止めとして利用されることもある。脳の片隅で記憶されていた。しかし、確か……もうひとつ効果があった。はず。


「これ、媚薬効果なんてあったんだっけ」
「リボーンにしちゃいいもんをくれたと思わねえか?コラ」
「ああやっぱり、リボーンだったんだ…」
「…俺がいんのにあいつの名前口にすんな、リラ」

次同じ事したらハーブティーじゃ済まないぜ、そう言うコロネロの指先が私の頬から離れ、背筋をなぞりながらどんどん下降していった。背中がくすぐったくて、ぞくぞくする。昔から擽られるのは苦手だった。今は別な意味で苦手だ。太腿の内側を掠めるように触れてきた。お前今日は可愛い格好して来いよーみたいなこと言われたら、頑張って来るしかないでしょ?
ミニスカートなんて穿いてくるんじゃなかった…。まあ…ジーパン穿いてきても結果は同じかもしれないけど。


「 も、やだ…ぁ…熱いー…家、帰りた、い」
「ンなの許すわけねえよ、」


ぺろり、と首筋を舐められた。コロネロはゴールデンレトリバーみたいだ。ふと浮かんだ事だったのに、考えれば考えるほど大型犬で、自信家で、優しいけど強引だし(ここは違うか)。何より要求してくる運動量が半端じゃない。昼のでも夜のでも関係なくこいつと付き合うには体力がないと死んでしまう。


「って、お前は発情犬か!」
「ん…ああ…それもいいかもな、コラ」
「…なにコロネロもハーブティー飲んだの?」
「いや。俺好きじゃねえし」
「じゃあ、なんなの…」

ついには背後から抱き込まれてしまい、私は逃げるという選択肢を奪われた。コロネロの体温と香りに、もう、耐えるということも放棄したいという願望が芽生えてしまった。今日のコロネロは性質が悪すぎる。真昼間から何なんだ。

「俺はお前見てると発情すんだって」
「…ばか?」
「仕方ないだろ、コラ」
「も…もう…勝手にして下さい」
「そうするぜ」

今日は帰れそうにありません。



Hazardous tea time
(青い空が憎たらしい)


すみませんすみませんすみませry
煩悩が爆発した感じでした。普段は人懐っこいけどここぞというとき知的になる、っていうのが自分の中のコロネロです。
20090916






あきゅろす。
無料HPエムペ!