それは牡丹の様に麗しく



下ネタ注意です



ひんやりとした冷たい空気が一瞬体を包み、意識が浮上した。シーツを掛けていても、空調を控えているこの部屋では朝の冷え込みを完全には防げない。空調してないのは、昨夜、寝る前は暑かったからで。今、寒いのは…聞かないで欲しい。
いよいよ鳥肌も立ってきて、何か羽織ろうと私を拘束している目の前のヒトを起こさぬ様にゆっくりベッドの上の移動を開始した。久々の長期休暇(予定)で熟睡してると思うから、大丈夫、と確信した…のに。

急に、私の脚に眠っていたはずの、リボーンの脚がするりと絡まってきた。
うっそ…なんで!


「逃がさねえぞ」
「お早う、くらい言ってよ…」
「逃げるお前が悪い」
「脚の絡め方が変態くさい」
「興奮するって言えよ、一々びくびくしやがって」


まるで骸さんの幻覚の触手のようにするすると絡み付いてくるリボーンの脚は無駄がなく細く引き締まっていて、正直な所、長くてずるい。この人は存在そのものが私の寿命を縮めてしまうかのような美しさで、悪く言えば卑猥。
寒いのに顔だけ熱い。
けど、私の意図を読み取ってくれたらしく、ぎゅうっと引き寄せてくれて。恥ずかしさが勝るものの、私のじゃない低めの体温に全身が包まれて酷く心地良い。


「温かい…けどリボーンさ、もう少し体温上げてよね、服着させてくれないんだったら」
「無理言うなよ、何なら俺もリラも今日は仕事ねえし今から運動、するか?」
「いやいやいや待って…腰、が無理…。そ、そうじゃなくて、もっと肉付けてさ、」
「筋肉?俺はもう十分だけどな」
「…せめて、コロネロくらい、は」

口を塞がれた。
仲良しのくせに、コロネロの名を出すことを極端に嫌がる。寧ろ仲良しだからこそ?


「…… なに、」
「お前、あいつの身体見た事あんのか」
「イェスって答えたらどうすんのよ」
「…犯す」
「ぇ、え…まっ、待ってよ、…もう!」


散々やった挙句まだお前は発情すんのか!お世辞にもスタイル抜群ナイスバディなんて言えない私の体の何処見てリボーンは欲情しちまった…なんて言うんだか。
しかし、それが理解できなくとも欲情したという証拠が現在、腰の痛みとなって現れている。


「前、リボーンが居なかった時にコロネロが来たのね。そしたらアイツがいないんだったらお前の部屋貸せ、って言われて…」
「チッ。アイツぶん殴る」
「あ、ゃ…ちょっと、首筋やめてよっ!…… まあ、シャワー貸した時に上半身、だけね」
「どうだった」

は?とリボーンを振り返ると意地悪そうに笑っている。

「い、いや、流石に鍛えてるって感じ…」
「ほぉ…、で?俺とどっちが大きかったんだ」
「…なにが」
「ナニがだよ」


思いっきり頭を引っ叩いてやった。女の子に対してなんていう質問してるのさ!それすらも笑い飛ばされ、リボーンに主導権を握られている事が悔しくて睨みつけてみても、やっぱり状況は変わらない。
いっそコロネロに浮気してやろうか。


「すんな。リラが俺から離れたら困る」
「…するわけ無いでしょう、もう」
「ま、リラは俺じゃなきゃ満足できないと思うけどな。アイツは俺より身長もあるし筋肉質だが、俺はスマートさとテクニック重視だ。コロネロなんぞ俺の足元にも及ばねえさ」
「ふぅん」


そんな風に必死に言われなくても私は、浮気なんてするつもりないけどね。苦笑してみた。とりあえずリボーンの言う事は事実で、彼以外を望んだ事は無いのだし。
それに、ね、本人には言ってあげないけど、リボーンじゃなきゃ嫌なのは私だって同じなんだから。



(リボーンは)(リラは)
(己の求める光を持っていて)


タイトルと中身のギャップに土下座したくなりますね…!!
20090902






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