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鮮血のRelease
VS.了平・ランボ




「…十代目」


獄寺君が不安そうにドアと俺を交互に見つめる。そして時々地面に視線を落とす。


「予想通りだよ、獄寺君。配置した傘下ファミリーがどんどんやられてる。…役立たずだよ、ホント」

「ツナ、俺が行ってや…」


いいよ山本、俺が制止するとピタリと言葉を途切れさせる。
俺の勘だと相手はあのミルフィオーレの白蘭だ。…もう一人いるはずなんだけど、そいつだけは周りに黒い光が渦巻いててハッキリとよく見えない。俺が警戒してるのはコイツだ。


「とにかく、今はお兄さんとランボが様子を見に行ってくれてる。もし2人が殺られたらヒバリさんと骸が仕留めに行ってくれる。安心して待とうよ」


ごめんね4人とも。
多分死んじゃうと思う。まぁ白蘭ともう一人の情報を少しでも端末で送って来てよ。


「獄寺君と山本は此処で待機」

「はい」

「おう!」


念のための盾は用意しておかなきゃ。

俺は不敵に笑った。




***




「あははは!白蘭!キャベツの千切りみたい!」

「鎖チャン!人間とキャベツを同じに考えた子は初めてみたよ♪まぁ僕も同感だけどね」


相変わらず、私が通った跡には切り刻まれた肉片。白蘭が通った跡には焼けた肉片だったもの。
あれはヴェルダン通り越してるね。真っ黒焦げだもん。
それに千切りというか…みじん切り?


「…ねぇ白蘭」

「ん?わかってるよ鎖チャン」


ふと疾風の如く突き進んでいた勢いを止める。ザコはもう居ないみたいだし、きっと守護者だね。

出てきなよ、と相手に促すといきなり黄色と緑の閃光が私達に向かってきた。

遅いよ?

向かってきた閃光は白蘭の翼によってかき消された。後ずさるような足音が聞こえる。


「出てきてくれないのならこっちから行くね?」


キュッと相手が隠れている物陰に突き進む。何で守ろうとしても


無駄


硬度が高い雷の炎でも私のワイヤーで紙のように千切れる。炎なのにね。


「ひぃぃっ!来るんじゃ…ない、もんね!!…化け、物!!」

「懐かしい呼び名だね。…泣き虫ランボ」

「…っが!ランボ、に…手を出すのは、極限、に赦さん…ぞ!!」

「やれるものならやってみなよ。笹川」


全身鋭いワイヤーでがんじがらめ。身動き取れないでしょ?
肉にピリピリと亀裂が入る。そんな激しく動いたら骨まで切れちゃうよ?

屈辱と絶望に満ちたその顔!

なんて愉快なの?


「っ…!極限、に…白蘭と居たのが10年前、並中で人殺…しをした…白金だった、とは…ゲホッ!」

「あーぁ。激しく動いたから手足切断しちゃったね。…そうだよ。10年前!弱くて何も出来なかった白金鎖だよ!!」

「今更…何をしに…!」

「極限…意味がわからん、ぞ…!(ランボ、情報端末はちゃんと動いているか?)」

「……(はい、笹川さん!)」


ナニヲ シニ ?


「私が10年間どんな想いで!!!」


ワイヤーを持つ手に力が入る。


「お前等を探してたと思ってるんだ!!!」




ハッと意識を取り戻した時、既に二人はただの肉片と化していた。
…何をしに来た?なんて、愚問だよ。復讐しに来たに決まってるじゃん。
信じてたのに裏切ったのはそっちだよ。ランボちゃん…笹川兄さん…。


「鎖チャン、コイツ等やっぱりこっちの情報が筒抜けになるような端末持ってたよ。まぁわざと見過ごしてたけどね。どうする?」

「…貸して」


笑顔で血塗れた機器を受け取る。さて、


「聞こえてるでしょ?ツーナ君


画面は割れ、ザ――…という耳障りなノイズ。うん、聞こえてるね。昔は仲良かったのに無視するなんて、酷いなぁ♪

喉が鳴ってんだよ、バーカ。


「今からそっちに行くね。楽しみだな、10年ぶり?…聞いてたと思うけど泣き虫ランボと笹川、殺っちゃったから。きっとこの後直ぐに委員長サマと黒曜生の2トップが来ると思うけど」

ザ――…

「二人をお中元見たいな感じで持って行ってあげようか?箱に詰めてさ、あははは!…まぁ冗談はおいといて。逃げないでよ?


お前は絶対

私が殺すんだから




じゃあ数分後ね、そう言い私は情報端末を宙に投げ、ワイヤーで粉々にした。


「話は終わった?もうとっくに痛くも痒くもないくらいの殺気があの壁から放たれてるんだけど」

「委員長サマと黒曜生でしょ」


私の邪魔をするなら切り刻むだけだよ。白蘭。


「…気づかれたのならしょうがないね」

「クフフ…流石今勢いをつけてるミルフィオーレ、という事でしょうか」


耳をつんざくような爆音と共に2人が現れた。登場派手だなー。見た目派手なのに中身スッカスカじゃ意味ないんだけどね。

委員長サマ。生徒を守る役員のはずなのに、寧ろ貴方は暴力を与えましたね。トンファーで私の意識が飛ぶまで殴り続けて。そんな構えないで下さいよ。トンファーなんて見たくない。


一瞬で真っ赤にしたくなる


さぁ白蘭。この2人を殺ればお目当ての沢田綱吉達だよ。
よりメインディッシュが美味しくなるようにこの2人で遊ぼうか。


「うーん。焦らすよなぁ」

「より美味しくなるよ」

「なら、仕方ないかぁ♪」


次は貴方達だよ





2010/07/05


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あきゅろす。
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