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鮮血のRelease
因縁




アイツ等(ボンゴレ)に出会ってからいつもいつも夜ばかりを駆けていた私。太陽が出てるイタリアは凄くキラキラと、それはそれは不釣り合いなくらいに輝いていた。昼と夜で、こんなに町の印象が変わるんだ…。…もしかして貴方が居るから?なんて。


「わー…ね、白蘭。あのお店に売ってるの何?」


私はいつも夜しか出ない。昼の町なんて知らない町に等しい。だからこうして見る景色が新鮮味に溢れていて楽しいんだ。それと同時に知らない事も沢山ある。例えば今、私が指したあのお店。


「ん?ジェラートかい?ちょっと待っててね」


「いいよ、大丈…」止めようとした寸前、スタスタと歩いていく白蘭。おじさんに「ciao!」とにこやかに話しかけてジェラートと呼ばれものを二つ持ってきた。「はい♪」とピンク色の方を渡す。


「そんな…良いのに…ありがと」

「これくらい買わせてよ。なんならあの店ごと買い取っても良いんだよ?」

「それはちょっと、」


ハハハ、と無邪気に笑う白蘭。なんだか可愛い。受け取ったジェラートを口に運ぶ。………おいしい。これは苺味かな。甘酸っぱくて本当においしい。


「これも気に入ってくれたようだね。良かった♪」

「…本当にありがとう、白蘭」

「いえいえ♪」


歩きながら夢中でジェラートを食べていると、白蘭が急に視界に入ってジェラートを一口拐っていった。舌をチロリと出して「ん、おいしい」と笑った。


「ずるーいっ私も白蘭の食べる!」

「ハハハ、どうぞ?」


スッと出された白いジェラートを一口貰う。バニラかな?あんまり甘くなくてさっぱりしてて…うん、これも凄くおいしいね。


「………」

「…? どうしたの?」

「…鎖チャン、これって間接キスだね♪」


急に白蘭が変な事を言うから吹き出してしまった。な…!


「大丈夫?」と背中をさすってくれる。嬉しいけど…、


「誰のせいだとー…」

「アハハ♪ごめんごめん」


軽いなー。キッと睨んでるのにヘラヘラと、でも不思議と憎めなくて。あー!今、絶対顔真っ赤だよ。白蘭のバーカ。

俯いていた身体を起こすと、ドシンと肩がぶつかった。痛い。


「ってぇな!気を付けやがれ!!」

「ごめんなさいー…」



あれ、この人、何処かで――…



「大丈夫?獄寺君…」

「えぇ!…ったくあの女…」

「ハハッ、獄寺も気をつけねぇとな」



見 つ け た






あぁ、10年たっても変わらないんだね。変わってないよ。その声、その姿、その態度。
スッといつも携帯してるワイヤーを手に絡める。











肉を切りイテ、骨までもンデ


絶望に怯える表情を踏みつけて


ふらふらと跡を追おうとする身体を何かが後ろから強く抱きしめる。邪魔しないでよ。…白蘭。


「此処は人通りが多い。君は無駄な殺しは望まないはずだよ?それに、こんな所であの三人を殺ったら他の奴等が警戒して手を出しづらくなるだけだよ?機会を待とうよ」


機会を待つ…?

今まで、どんなに我慢してきたか…わかる?

あの時から10年間

私はずっとアイツ等を探してた

やっと 見つけたのに…!


「いや!白蘭離して!」


「…やっぱし、無理か♪」



白蘭がそう呟いたのを確認したと同じに、首に手刀を入れられた。



…なんでよ………。
白蘭だって、アイツ等を消したいんでしょ…?



グラリと倒れる身体。
次第に無くなってく意識の中で白蘭が優しく抱き締めてくれたような気がした。

「待っててよ。今、別の世界の僕はとっても楽しい事をしてるんだ」




2010/06/15

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あきゅろす。
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