嘘ばっかりだ(ロイ←しい←ゼロ)
「なあ、ちょっと質問なんだけど」
「どったの急に」
「あ、べ、別に大したことじゃないんだけど…サ」
「何々〜?遂に俺さまへの愛の告白でもする気になったか?」
「アホ!!!!!」
「だっ…本気で殴るこたねェだろ!」
「あ、アンタがアホなこと言うからだろ!」
「……そりゃごもっとも」
これ以上殴られると生命の危機になりそうなので仕方なく大人しく待っていると、言いづらそうに口をモゴモゴさせる。あらま頬赤らめちゃって。可愛いねえ。これはしいなのことを深く知らない奴ならば、本当に告白されると勘違いを招きそうだ。
「特に深い意味はないんだけど…」
「へいへい。分かったから言ってみ」
「…お、男の子ってサ、どんな感じの女の子が好みなのかな」
やっぱりこう、コレットみたいにフワフワした感じの子?
それともリフィルのような知的な子?
もしくはプレセアのようにクールな子?
「人気があるタイプなんて分からないし…言いたかないけど、アンタそういうの詳しそうだろ?だから…」
「んー、そうねえ。まあ一般論から言えばコレットちゃんだろうなあ?いかにも女の子って感じが、多くの野郎共は憧れる訳よ」
「…へ、へえ…。まあそうだろうね」
「で?なんでんなこと聞く訳?」
「えっ」
「健気だねェ」
喉を鳴らして笑うと、顔を真っ赤にするしいな。少し、意地悪が過ぎたかもしれない。可愛いと思うと同時に、胸が痛んだ。
「んなこと聞いたって、お前自身がコレットちゃんみたいになれる訳ねェだろ」
「…それ、は…」
‥あ。
傷付いた顔をさせてしまった。違う違う、そんな顔をさせたかった訳じゃない。そんな表情が見たかった訳じゃ、ないのに。
「オイオイ、んなつもりで言ったんじゃねーよ。だから、お前はお前らしさで勝負しろよって」
「…」
「ほら、アレだ。俺さまから見れば、しいなもなかなか高レベルだぜェ?」
「…『も』ね」
「何なら、今から俺さまに口説かれてみる?」
「‥アホ」
…ちょっとだけ嘘を付いた。
しいな『も』じゃない。本当は、お前が一番可愛い。…そんなこと、こんなちっぽけな勇気しか持ってない俺は言えないけど。
お前が一番可愛いよ
(あーあ。傷付けてばっかりだなあ)
(本当はお前が好きなのに、な)
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本気な恋には臆病なゼロス。
しいなは一見するとそうじゃないけど、絶対パーティーの中で一番女の子らしいよ。
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