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デートしたい(ゼロしい)
(学パロ)





喧しい蝉の鳴き声。
うだるような暑さ。
汗で張りつくシャツ。


…鬱陶しいったらもう。
学校にはクーラーなんて快適なものは備わっていない。よってゼロスは屋上の―――辛うじて日陰にになっているところに授業をすっぽかして寝転んでいた(屋上だからと侮るなかれ。日陰に入ってさえいれば、存外涼しい。他には誰も居ない為、一人になりたい時にもこの場所はうってつけなのだ)。

あまりの暑さに授業なんか受ける気分にならない(どっちみちサボタージュがバレたら担任のリフィル先生に殺されてしまうが)。本当は今すぐにでも帰宅したいが、それを渋るのはちゃんとした理由がある。


退屈な学校生活の中で。
唯一楽しみにしていることが、あるのだ。



「またこんなところで怠けてるのかい?」



横から知った声を掛けられた。
腕で覆った真っ暗な視界では姿を見ることは出来ないが、声の主は直ぐに分かる。見えないはずなのにその姿がはっきりと想像出来て、ゼロスは口元を緩めた。気持ちが高揚するのが分かる。



そう。
他でもない彼女を待っていたのだから。




「しいなか」

「なーにが『しいなか』だい。大体いつも此処で会ってるじゃないか」

「でっひゃひゃ、それもそうだな」




もしやコイツはいつも偶然居合わせていると思っているのだろうか。だとしたらまだまだ甘い。偶然がそんなに頻繁に起こるものか。ゼロスはしいなに逢うためと言っても良いぐらい、此処に来ているのである。屋上はしいなのお気に入りスポットでもあるらしく、よく足を運ぶことを知っているから。まあ一人になれるから、という理由もあるが、それが大半の理由だ。ゆっくりとしいなの方に視線を送ると、いつもの見慣れた顔がそこにはあった。それを見ただけで、すっかり暑さで感じていた怠さは苛々した気持ちは吹き飛んでしまっている。我ながら、現金だなあとは思うが仕方ない。



「にしてもあっついな〜。帰りになんか冷たいもんでも食ってこうぜ」

「ったく、仕方ないね。待ってるから、さっさと支度してきな」

「へーへー。んなこと言って先に帰るなよ?」

「帰るなら待ってるなんて言わないよ。そんなこと言ってる暇があるなら早くしな」

「…了解」




こりゃまたいつも以上に男前なこって。

頬の熱は暑さで誤魔化せるだろう。よっぽどのことがない限り、しいなは待っていてくれると分かっている。それなのに、我ながら馬鹿だなあと思いつつも確認せずにはいられない。本人は気付いていないだろうが、ゼロスはしいなのことが好きだった。まだ伝えてはいないけれど、いずれは気付かせてやるつもりだ。



まあ、取り敢えずは早急に自分の荷物を取りに教室に戻って…




「放課後デートといきますかね」



アイスでも食べてから、ゲームセンターにでも行こうか。頭の中で色々と計画を練りつつ、ゼロスは教室の扉を開けた。…と、何故か友人のロイドが一人そこに居て目が合う。



「あっ。おい、ゼロスお前授業サボってどこ行ってたんだよ。リフィル先生ムチャクチャ怒ってたぞ」

「…マジですか」



また違う意味で、暑さが吹き飛んでしまった。





スプリングサマー





(それ伝えるようにって先生から頼まれてて帰るに帰れないしさー。お前教室に来るの遅すぎだろ)
(それは悪かったな。つーかお前も一緒に帰んのか頼むから今日は一人で帰れ頼むから!)
(えー、なんでだよ。お前のせいなんだからなんか奢れよな)
(アレ?ロイドも一緒だったんだね)
(おう、しいな!お前も帰りか?)
(もうやだ何コレ)




(title:自慰様)



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結局3人で仲良くアイス。
アレ、これゼロしい?←

雪希さんごめんなさいこんなので良ければ貰って下さい(><)


あきゅろす。
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