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レイアがすきだよ(ジュ→←レイ)




「好きだよ。レイア」




生まれて初めての告白の相手は、ずっと傍で支えてくれた幼なじみだ。告げる前はとても緊張したし、言い出す前までが大変だったのだが、言ってしまえばどうということはない。案外その言葉はするり、と喉から出て。どんな反応をするのだろうか。断られてしまうかな。もしかしたら、冗談に取られてしまうかもしれない。だがもし誤解されたならされたで、何度でも告げるつもりで挑んだこの勝負。また緊張が戻ってきてしまい、汗ばむ手。それでも目を逸らさずにレイアを見つめれば、何故か彼女は泣きそうに顔を歪めていて。嫌な気持ちにさせてしまったのか。咄嗟にレイアに手を伸ばそうとした時だった。



「…だ、ダメだよ」

「レイア…?」



ダメ。
そうレイアは呟いて、俯いてしまう。肩が震えている。嫌がらせて泣かせてしまったのか。他でもない、自分が。自分の気持ちが拒絶されたことよりも、レイアを泣かせてしまったことのほうがショックが大きかった。泣かせたかった訳ではないのに。嫌だったよね、ごめんねとジュードは慌てて声を掛ける。それに対してふるふる、と頭を振ると、彼女はゆっくりと顔を上げた。




「私、ミラみたいにはなれないよ」

「‥え」

「旅をしてても、大してジュードの役に立てなかった。ミラみたいに、強くジュードを引っ張って行ったり出来なかった」

「レイ、」

「だから、代わりに幸せに出来る自信、ないんだ」




私と居てもきっと幸せにはなれないよと、レイアは泣きじゃくりながら此方に告げる。どうして、そんなことを言うのか。ミラは確かに大切な人だけれど、レイアをその代わりにしたことなんてない。レイアの代わりだなんて、誰にもなれないじゃないか。小さい頃から見慣れていた筈なのに、今は何故かとても小さな女の子に見えて。か細い肩は今にも壊れてしまいそうで。思わず、ジュードはゆっくりとレイアを抱き締めた。いつも自分を護ってくれていたのだ、レイアはこんな小さな身体で。今度はちゃんと僕が護ってあげたい。誤解しているのなら、何度でも解かなくちゃ。これ以上レイアを刺激しないように、そっと言葉を紡ぐ。





「ミラの代わりなんかじゃ、ないよ。僕にはレイアが必要なんだ」



僕の隣には、レイア。
今までも。そしてこれからもずっと。




「レイアがレイアだから、好きだよ。だから幸せになれないなんて悲しいこと言わないで」

「ジュ、」

「好きだ」




不安にさせてしまったのは、きっと自分の弱さのせいだ。でももう二度とこんな風に泣かせない。そっと抱き締める腕を解いて、視線を合わせる。すっかり赤くなった瞳に苦笑して、涙を拭ってあげた。




「…ねえ。返事、聞いてもいい?」

「‥ばか」




少し意地悪な質問だった為か、膨れてしまったレイアにはちょっぴり笑ってしまった。でもこちらに抱き付いて来たから、答えはきっとイエスだろう。力一杯抱き締めれば、むぐ‥なんて苦しそうな声がする。今はちょっとだけ、我慢して欲しいなと口元を緩めて。



今までごめんね、色々ありがとう。そしてこれからも、ずっと一緒に居てね。




ばか。たったその一言だけ
(ずっと待ってたんだから、)



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レイアちゃんって、自分に自信ありげに見えて実は無いところが可愛い。そんなことないよ、もっと自信持って!って言いたくなるね。


ジュレイへの3つの恋のお題:ばか。たったその一言だけ。/おやすみ、可愛い人。/晴れの日も雨の日も http://shindanmaker.com/125562


あきゅろす。
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