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肩の力を抜きましょう(ゼロスとリフィル)



「リフィル様ってさァ、昔から
そんな感じなの?」

「…どういう意味かしら?」



ジーニアスは料理。
コレットとしいなはそれを手伝い(プレセアは薪集め)、手持ちぶさたなロイドは一人剣を振るう。各々がそれぞれやりたいことをやっている時間。

楽しげな他のメンバーを見、次に目線を手元に移した。次の行き先を地図を見て確認し、どの位の距離なのか、どれだけの時間が掛かるのかをザッと計算する作業だ。

不意に、地図に影が出来る。
少しだけ驚いて顔を上げれば、一応『テセアラの神子』という地位に居る赤髪の男。目が合うと、ゼロスはヘラリと笑みを浮かべた。


「リフィル様って俺さまと一歳しか歳違わねーのな」

「あら。女性に年齢の話をするなんて…マナーがなってないのではなくて?」

「‥こりゃ失礼」



でもま、俺さま女の子全般が好きだから、どの年齢でも全然範囲内よ?貴方に気に入られたいだなんて、一言も言っていないけれど?噛み合っているようで、少しズレている気がする。この男と会話をする時、大抵そう思うのだ。今だってそうだ。向こうから話し掛けてきたにも関わらず、きちんとこちらに関心が向いているのか分からない。

ヘラヘラしていて、掴み所がなく。この男は常に、どこか仲間達とは違う方を見ている気がした。



「リフィル様ってさァ、昔から
そんな感じなの?」

「…どういう意味かしら?」



そして、冒頭の会話に繋がる。
話の流れがよく読めずに、怪訝な顔を隠さず浮かべると、ゼロスはほんの一瞬だけ、台詞を付けるのならば『…ヤバ、』とでも言いたげな表情をした。だがそれも刹那のことで、直ぐにいつもの下卑た笑い顔になる。



「いんやー?ただ、俺さまぐらいの歳なのにリフィル様ってば真面目だなぁ〜って。ま、クールビューティーなリフィル様も俺さまだ〜い好きだけど」

「……何が言いたいのかしら?」



ハッキリしない態度に苛ついて、少し強く言ってみた。でひゃひゃ、と笑い声が返ってくる。



「それって疲れねーの?」

「‥え、」

「いつも完璧にすんのって、疲れねーの?」

「私、は…」



まさかそんな真面目な言葉が返ってくるだなんて予想だにしなかった。言葉が見付からなくて、狼狽えたような声色になってしまった。



「そりゃーホラ、アイツらどっか抜けてるから誰かがやんなきゃいけねー役だけど」

「……」

「もーちょい楽にしてて良いんじゃねーかな」

「…、」

「ちっとぐらい弱いとこ見せたって、アイツらは文句言わねェよ。完璧なヤツなんて、どこにも居ねェしな」

「……ゼロス」

「…でひゃひゃ、いやー俺さまとしたことが柄にもなく語っちまったぜ。ま、今のは忘れて、リフィル様」



あー、腹減った!早く飯にしよーぜ〜?もう、もうちょっとで出来るから静かにしててよアホ神子!邪魔だからあっち行ってな!ひっでぇ!コレットちゃああん、アイツらが俺さまを虐めるー!よしよし。お前なあ…。向こう側に行ったゼロスを見つめる。ついさっきまでの会話が、夢だったように感じた。



「…少し、気を張り過ぎていたのかしら…ね」



柔らかな風を頬に受けながら、そっと目を閉じる。先程よりも身体の力が抜けているように感じて、リフィルは苦笑を零した。



(ありがとう、感謝するわ)



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ブログから再録。

ゼロスとリフィル先生。
個人的にやってみたかった組み合わせです\(^O^)/


あきゅろす。
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