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居てくれて、(ゼロスとロイド)





どんなに辛いことがあったって。死にそうなぐらいに胸が痛んだって。なんでもないように見せるのは、『俺さま』の得意なことだった筈だ。



「そこの可愛いハニー達〜!俺さまとデートしな〜い?」

「…ゼロス」

「どったのロイドくん。俺さま今忙しいから、あとにして欲しいな〜」

「……はあ」



(腹の立つことに俺さまの目の前でため息つきやがった!つきたいのはこっちのほうだ)



馬鹿みたいにカラカラ笑って、頭が空っぽの奴を演じる。そうすれば、大抵のことはなんとかなったのだ。虚しく思うこともあるが、何より普通に神子としての人生を生きるよりは、遥かに楽だった。真面目にそれを見つめようとすれば、直ぐに襲い掛かってくる絶望感。何も考えていないようにして、見ないふりをすれば何も感じはしない。でもそれは逃げなのだと、自分が一番分かっていることで。しかし自由なようでがんじがらめの俺には、どうすることも出来ないんだと悟っていて(これもまた、逃げなのだと自覚している)。所詮生まれてはいけなかった命。自分が死んでさえしまえば、全ては上手くいく。そう分かってはいたがそれを考える度に胸がズキズキと痛む。本当はただ愛して欲しかった。そんな資格はないんだと、今では分かっているけれど。これからも死ぬまでずっと、胸に開いた隙間は埋まらないのだと、そう思いながら今まで生きてきたけれど。



「お前さ、分かってないよやっぱり」

「……何が」

「俺より全然頭いいのに、なんで分からないんだよ」

「……」



そう、今まではそう思っていたけれど。それに対して異を唱えた奴がこの世界にたった一人だけ居たのだ。俺なんかに価値があるなんて言った馬鹿が。『神子』じゃなくて『ゼロス』を求めてくれた、何とかなるなんて無責任なことを言ってのける奴が。



「苦しい時は素直にそう言え!何回言わせるんだよ。そんな風に笑って誤魔化したって、俺達には通用しないからな!」

「うるせェよ!俺さまにも色々あるんだよ!」

「お前の事情なんて知るか!とにかく俺達の前で必要ない嘘笑いなんかすんな!」

「…んだそれ…馬鹿か。超勝手な奴だよお前」

「別に間違ってこと言ってないだろ。隠してるお前が悪い」

「…さいですか」



(こんな馬鹿信じてみようとか思っちゃってる俺さまも俺さまだけどな)



笑顔の通じない相手
(通じなさ過ぎてムカつく!)


(反転コンタクト様)



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嬉しいんだけど、今までそれで通ったからある意味ムカつく!みたいなね。

いや、しかしホントOVAでゼロス死亡ルートじゃなくて良かった…←


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