答えは知っている(リチャパス) 「パスカル…さん?」 「ん?どしたのリチャード」 抱き締めた彼女から甘く香る匂い。その香りの正体は直ぐに分かったが、分からない振りをして首筋に顔を埋める。 「…甘くて、美味しそうな匂いがするね」 「えへへ〜、いいでしょ!これはね、」 「待って。思い出すかもしれない」 「えーっ、簡単だよ?」 楽しそうにはにかむパスカル。 ちょっとした悪戯心が湧いてしまったリチャードは、そのまま首筋に口付けを落とした。途端にビクリと跳ねた肩には、またも気付かないフリ。 「……ダメだ、降参だよ。喉元まで出掛かっているのに」 「くすぐったい、よ」 「ねえ。これ、何の匂いだったっけ?」 「ちょっ…リチャード、くすぐったいってば」 「…美味しそうだね」 そのまま頬をぺろりと舐めて、かじったら甘いかなと耳元で言えば。パスカルは『ふいい…』なんて意味の無い声を上げて顔を真っ赤にしてしまった。林檎みたいだねと呟くと、そっぽを向かれてしまう。リチャードは喉を鳴らして面白そうに笑ってみせた。そんな反応も愛らしいと思いつつ、本当に食べちゃおうかななんて考えていたのは秘密だ。 食べてしまいたい ------- 香りはきっとバナナの香水か何か。 リチャパスへの3つの恋のお題:お前じゃなきゃダメなんだ/痛い、けど、気持ちいい/食べてしまいたい http://shindanmaker.com/125562 |