もう居ないんだね(アニス)
※ルークに対してのアニス独白
青い空、白い雲。
そして穏やかな優しい風。
「んーっ、いい天気!」
ぽかぽかと温かな日差しが降り注ぐ。大きく息を吸い込めば、緑の匂い。アニスは原っぱに一人、寝転んだ。
「幸せだなあ〜」
世界は、平和になった。
最初から何事もなかったかのように、静かに時を刻み始めている。まだまだ問題は山積みだけれど、それでも数えきれないくらいたくさんの命が、あの一件によって救われたのだ。
―――尊い犠牲を、払って。
「…っふ…う…」
幸せだと、素直に口に出せるくらい。気持ちが浮かれている筈なのに。目の前が歪んで、鼻がツンとして。
胸が、苦しい。
「なんで、居なくなっちゃったの」
こんなにも世界は鮮やかな色で溢れて、笑顔でいっぱいなのに。その中に居られた筈の、仲間。
―――ねえ、ルーク。
君が作った世界
(なんで此処にルークは居られなかったの、)
(title:反転コンタクト)
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