恋の音(綱京)
ドキドキ ドキドキ。
このうるさい音が、気になってしょうがない。
『おはよう、ツナくん!』
『おっ、おはよう…!』
元気よく声を掛けられて、口から出る言葉はカミカミだ。
ああ、俺格好悪い!
だがそれもそのハズ。相手はただのクラスメイトではない、自分の好きな女の子なのだから。
誰だって好きな女の子に声を掛けられれば挙動不振になるハズだ(アレ?もしかして俺だけだったりするのかな)。
リボーンいわく、それはヘタレツナだけだと言う。
いい天気だねと微笑む彼女に、自然と頬が緩んでしまう。
ああ…やっぱり京子ちゃんは可愛い…!幸せだなぁ…
この締まりの無い表情を見られたら、必ずリボーンに一発喝(という名のキック)を入れられるだろう。
正にこの子のこの笑顔の為に学校に通っているようなもの。
そう言ってもきっと大袈裟じゃない。
テストだって悲惨なものだし、運動だって苦手なダメツナだけど
(京子ちゃんの笑顔が見れるなら、)
なんだって頑張れそうな気がするんだ。
『…ツナくん?』
『うわ…いてッ!』
いつのまにか至近距離にあった顔に死ぬ程驚いて(こんな死ぬ気関係は嫌いだ)、尻餅を着いてしまった。
(あああ京子ちゃんの前でなんてことを!!俺格好悪過ぎーー!)
今の状況に効果音を付けるなら、正に"ガーン"である。
『大丈夫?』
『あっ、うん!そ、それよりどうしたの?』
『ツナくん急に黙っちゃったからどうしたのかなって…』
『そ、そっか…ごめん、なんでもないんだ!』
『ううん、私こそ驚かせちゃってごめんね。大丈夫…?』
立てる?とスッと差し出された手。それに何よりも驚いたのは他でもないツナ自身。
『なっ、ええ!?き、京子ちゃん?』
『ハイ、捕まって』
『えぇぇぇ!!で、でも…』
(ど、ど、ど、どうしよう!!京子ちゃんの手を握るなんて恥ずかしいよ…!)
あたふたするツナを見て、京子はクスリと笑った。
『早くしないと遅刻しちゃうよ?』
『う、うん…』
やっと覚悟を決め、一つ息をついてから差し出された手に自分のそれを重ねる(俺の手変に汗ばんだりしてないかな…)。
『あ、ありがとう…』
『ううん!』
そう照れ臭そうにはにかんだ彼女の頬が、ほんのり色づいたのは気のせいだろうか。
『じゃあ…行こっか!』
『えっ…!?』
歩き出した手の先は、繋がれたまま。
『だってツナくんがまた転んじゃったりしたら大変だし…ゴメン、嫌だった?』
『う、ううん!そんな事ないよ…!』
(京子ちゃんと手を繋いで登校出来るなんて!嬉しいけど…なんか俺情けねぇーー!)
ドキドキ ドキドキ。
この音が聞こえてしまわないように願いながら、ゆっくりと微笑んだ。
Fin
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ツナ京!
管理人がリボーンの中で、1番応援したいCPです☆
ツナのへたれな部分が出せてたら良いなぁ〜
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