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無理にエロに走らなくてもいいと思います(ニシン×アン)
※下っぽい変態的な会話してますが奴が公式設定で変態だからです。
※下ネタ無理!な方は逃げた方が良いかも。








「くそう!また部長のおっぱい触れなかったよ!!」

「まだ諦めてなかったんですか!」


部活帰り。
何時ものように2人で歩く帰り道。何やら深刻そうな顔をしていたから心配になって、どうしたんですか?と聞いたらコレだ。とても悔しそうに、四つんばいになって地面を叩く姿は滑稽に映る。近所の奥様方がそれを見てヒソヒソと会話を始めたのを目撃し、恥ずかしさのあまり顔が赤くなった。

他の部活メンバーならばこの段階で放置し他人のフリをするものだが、それをしないのは姫野アンという人間が人一倍優しい性格だからである(お人好しとも言うが)。しかしいつものこととはいえ、対応に困る話題だということはいやでも分かるだろう。まさか変態的な行動を肯定する訳にもいかず、慰める訳にもいかず…いつも言葉に困るのである。


「……ニシンくん、本当に部長の胸が好きなんですね…」

「当たり前だろ!俺の理想的なペチャパイなんだから!!」


いや、そんなさも当然な顔されても…と姫野。だいたい女子相手に、同意を求めないで頂きたい。思春期で、そういうことに興味津々なお年頃なのは分かるのだが、それとこれとは話が別である(常日頃から思うが、自分は女の子扱いされていない気がする)


いつの間にか、二人で一緒に居ることが良くあるようになった。こうして一緒に下校したりもするし、休みの日はゲームセンターに遊びに行ったり、プリクラを撮ったり。しかし何故かそれがニシンの中の『女の子と二人っきりで』ということにカウントされていないのである。別に友達なのだから構わないのだが、同性扱いなのかと虚しく思うのもまた事実。まあ彼にとっては、部活の仲間という括りの中の一人だからかもしれないが。



「あの、ニシンくん」

「…何」

「何時までもそこに居たら日が暮れちゃいますよ。そうしたら寒くなっちゃいますし、帰りましょう?」

「それもそうだね。ごめん待たせて」

「いえ…大丈夫ですから」



流石に『いつものことですから』、とは言えなかった。…が、意外にも直ぐに立ち上がって歩き始めたニシンにホッとする。



「ニシンくん、」

「んー?今度は何?」

「いや、あの…そんなに無理にエロ要素に走らなくても良いんじゃないですか?」

「……はあ!?」



文字通り目を見開いて何言ってんのコイツという顔でこちらを見る。その行動に、自分の口から滑ってしまった言葉に自分も驚いた。何を言ってるんだろう私…!ああ、違うんですそういう意味じゃなくて。とにかく何とかしないと!



「何言ってんの姫野ちゃん!俺は普通の健全な男子中学生なんだよ!?エロは必要じゃん!だいたい、俺からエロを取ったら何が残るって言うのさ!?」

「えっと、だからそういう意味じゃなくて…その…」

「エロを求めて何が悪いの!なんか迷惑掛けた?姫野ちゃんに!!」


畳み掛けるように次々と反論が。ああ、やっぱり失言だった。まあ正直迷惑したことなんてエロゲー我が家でプレイされた時のこととか、同意を求められたりしたら困る、とか色々ありますが…現在進行形で。いやいやそういうことじゃなくて。なんでそんなことを言ってしまったのか自分でも分からないのだ。上手い言葉が見付からない。



「いや、私にとってのニシンくんはエロだけじゃないですし!他の子にはスケベだとかだけ言われちゃうかもしれませんけど、私はそれだけじゃないと思ってますから!」

「…えっ」


…アレ。
なんかとてつもなく恥ずかしいことを言った気がする。



「困った人をほっとけないところとか。優しいし、頑張り屋さんだってことも知ってます」

「……」

「その、スケベなのがダメとかじゃなくて…ニシンくんはそれだけじゃないって私は知ってるし…いや、そもそも私には何も反応しないし…ってアレ?何言ってるんだろ私」


コレじゃまるで、焼きもち妬いてるみたい。


「………」

「えと、だから、その…」

「姫野ちゃん」

「っ、」

「もう良いよ」



上手く喋れない。
もう自分が何を言ってるのか分からない。とにかく、顔が熱い。
今そっぽを向いている少年が、どんな表情をしているか分からなくて怖い。

次の瞬間、吐かれたため息にビクついた。



「はぁー…叶わないなあ、姫野ちゃんには」

「…えっ?あ、あの、別に変な意味じゃ…」

「あのね、知ってる?俺にとって姫野ちゃんって特別なんだ」

「…!」

「俺、確かにエロもペチャパイも女の子も大好きだけど」



その言葉にガクッと肩を落とす。でも、とニシンは笑顔でこちらに向き直ってこう言った。


「なんか、姫野ちゃんは特別みたい」




""
(勘違いしちゃって、良いんですか?)



(大体俺、好きでもない子と二人でゲーセンになんか行かないよ)
(え、えっ??でもカウントして無かったじゃないですか!)
(は、恥ずかしかったんだよ!)
(そ、それに部長とかには反応するのに私には普通だし、)
(だから、それは違うの!本当に好きな子だから触れないっていうか、大事にしたいの俺は!!)
(だ、だってだって、ニシンくんはペチャパイ好きって)
(あーもう!それはあくまで理想で姫野ちゃんのことは関係ないんだよっ!わかった!?姫野ちゃんが好きなんだよ!)
(……っ、)
(……あっ)



二人して赤面したのは言うまでもなく。



fin


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電脳遊戯クラブのニシアンです!(初書きなのでキャラが違ったらスミマセン!)

HE・N・TA・I☆なニシンくん書いてて楽しかったです(笑)

姫野ちゃんに対しては淡白な態度だけど、それは本命だからで大事にしたいからっていう話。無意識に妬いちゃった姫野ちゃんと、それに流されてつい告白しちゃったニシンくんでした。

ニシンと姫野ちゃんお似合いなんだけどなあ…←

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