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それは温かな、(朋也と汐)




だんご だんご だんご だんご
だんご大家族



(それは、汐が大好きな唄)
(直ぐに眠ってしまうような、)
(魔法の子守唄)
(優しいメロディー)




「ねえ、パパ」

「…ん、眠いか?」

「うん」

「じゃあ、もうおやすみの時間だ」

「…パパ、」

「ん?」

「あのお歌、うたって」

「…本当に大好きなんだな、汐」

「うん。だいすき」




ゆっくりと優しく。
慰めるように。

そっと汐の頭を撫でながら、いつか俺が大好きになった歌を口ずさむ。優しく温かなメロディー。



この歌を歌う度に思い出す。


『 』と出逢ったこと。
『 』と歩いた道。
『 』を好きになった日。

『 』が好きだったもの。
『 』の優しい笑顔。
『 』が好きだったぬいぐるみ。



笑い合った日も、怒った日も、泣いた日も。どんな時も俺の傍に居ると約束してくれたアイツ。



涙が出そうになるぐらいに、綺麗で純粋で。温かかったアイツを。



(なあ、渚。お前は覚えてるか?俺達が過ごした日々を)
(向こうでも俺達を見守ってくれてるか?)
(こっちはあまり代わり映えしないよ)
(俺はまだまだ弱いけど、もう心配はいらないよ)
(だから安心して、眠って)



今は大切なものが、護るべきものがちゃんと見えてるから。



「…パパ?」

「どうした?」

「……ううん」

「…そっか」

「ねえ、パパもすき?」

「ん?」

「だんごだいかぞく、すき?」

「──…」




『だんご だんご だんご だんご だんご大家族』




優しいあの子の歌声が、聞こえた気がした。





「──…ああ、パパも好きだよ」




(ああ、大好きだよ)
(優しくて温かな、)
(この歌もアイツも、汐も)




「大好きだ」




(だから今は胸を張って幸せだと言える)




いつの間に流れていた一筋の涙。パパ、ないてる?と温かくて小さな手が頬を優しく滑って、何故だかその温かさに涙が溢れてしまった。




「だいじょうぶ?」

「…あ、ああ。大丈夫だ、ちょっと目にゴミが入っただけだから…」

「…いたい?」

「全然!パパは強いんだぜ?」

「よかった…」




こんなに小さいのに
俺を心配してくれている。
心優しい我が子。
愛しくて愛しくて、胸の中で何かが溢れた。




「パパ、だいすき」




頬擦りをしてくる汐に、また心が温かくなった。
布団を掛けなおし、頭を数回撫でて、寝かしつけるように柔らかく背中を叩く。汐は安心したのか、表情を綻ばせた。



「…ああ、パパも汐が大好きだ。だからもう安心しておやすみ」

「……うん、おやすみ…」

「おやすみ、汐」




もう二度とこの子を離したりはしない。絶対に。
俺が、ずっと護っていくんだ。




(ありがとう、汐)




今日よりも明日はもっと良い父親になるから、と。
強く強く願いを込めて、瞳を閉じた。




(小さな手のぬくもり)



Fin


─────
CLANNADの岡崎親子。
トゥルーエンド前の時間軸で。


最終的には渚汐ともに生きてて欲しいけど、朋也と汐二人で力強く生きて行くっていうのも良い終わり方なのかも…。

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あきゅろす。
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