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「何でノアの前で素顔を晒したんだ」

エドアンのその俺への質問を聞いて、ベリーズとゼロも食べるのを止め、俺の方に顔を向けた。

「…もし俺がノアの要求を断ったとして。代わりに出される要求で、コイツらを差し出すように言われたとしたら。…俺がどうするかわかるか?

状況によっては俺はコイツらを差し出すかも知れないんだぜ?ハイジを守る為にな。

だからそうならねぇようにあぁした。俺が素顔を晒す事なんて何でもない事だろ、目の前でコイツらがノアの箱船の囚人にヤられる所を見せられるよりは」

俺が淡々とそう説明すると3人の表情が曇った。

「…何でもない事じゃねぇだろ。お前だけ嫌な思いをしたんだろ?

コイツらを守ってくれた事にはすっげぇ感謝してる。

けど、俺にとってはお前も大事だからお前だけが犠牲になってリスクを背負ったそれが名案だったとは思えねぇよ」

心配そうな顔をして俺を見つめるエドアンに気まずい思いをしていると、エドアンに続くようにゼロとベリーズも口を開いた。

「…普通はそうするんだよ。例えお前の言う通りになったとしても、ノアを恨んでもお前を恨んだりしねぇよ」

「すみません、ラクハさんが僕達の事を考えてくれていたなんて知らずに責めるような事を言ってしまって」

俺を心配し気遣うような2人の言葉を聞いて罪悪感で鈍く胸の奥が痛んだ。

「結局はノアの態度に我慢出来ずにあぁ言う事になったんだ。だからお前らが気にする事はねぇよ。始めからあぁしなかった俺が悪い」

俺がそう言うとゼロは顔をしかめ、始めからしてた方が悪いし問題だろ、と小さくボヤいた。

「あぁ言う事って何だよ?」

詳しい事をまだ聞いていないのか目を丸くするエドアンに、ベリーズが俺がキレて小百合を人質にとってノアを脅迫した事やハイジの活躍等を簡単に説明する。

エドアンはベリーズの説明を聞くと顔をひきつらせた。

「あー…何だろうな。取り合えず、お前が平気なら俺はそれでいい」

エドアンは複雑そうな顔をしてそう言う。

「あぁ平気だ。だからもうこの話は忘れろ」

丁度俺がそうエドアンに返事を返していると近づいてくる人間の気配を感じた。

「あ、シンおはよぉ。あははっ今日も悪人ヅラだぁー。今日も低血圧なの?」

ハイジの嬉しそうな声でその人間の正体を知り、俺は顔を上げた。





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あきゅろす。
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