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例えエドアンの気の迷いから来ているものだとしても、儚いものだとしても。
例えエドアンが俺を嫌いになるのも時間の問題だとわかっていても。
俺は死ぬまでエドアンに与えられた言葉や温もりを忘れる事が出来ないだろうと思った。
涙も止まり、体が凍えて来たところで俺はシャワーを浴びるのをやめた。
冷たくなった体をタオルで拭き、部屋着を着て再びベッドへと横になる。
起床時間までの残された僅かな時間、俺は久しぶりに深い眠りに引きずり込まれた。
◆◆
「神さま仏さま、俺はアンタ達を信じません。
例えアンタ達が居たとしても俺はテメェで何とか生きていきます。
いや寧ろ俺が神となりネバーランドの可愛い囚人どもを守って生きます。
最後に俺達の最低な1日にアーメン」
エドアンの食事前の奇妙な祈りの言葉を聞いて、俺は妙な安心感を覚える。
「聞いてください船長!クララさんとハイジさんがどれだけ頼もしかったか!」
「クララは船長とは違う意味で頼もしいよな。ノアを脅迫して黙らせるなんてクララとハイジしかしねぇだろうし」
エドアンに2日間の出来事を話しているベリーズとゼロの言葉の中に気になる所があった。
2人とも昨日まで確かに俺の名前を正しく言えていた筈だ。
エドアンの悪ふざけが伝染したのか、或いは俺との壁を取り払おうと言うこいつらなりの配慮なのか。
判断が出来なかった事もあり俺は何も言わなかった。
「あぁ、らしいな。ハイジお前見掛けによらずやるなぁ。ワンとやり合って平気だったんだろ?」
エドアンがそう言うとハイジは戸惑ったような顔をして首を傾げた。
「やり合ったって言うかワンワンが優しくて意地悪で、優しくてやっぱり意地悪だったんだよ。それにね、俺よりシンの方がスゲーんだよ?ねー?」
そう言って敵を蹴散らすシン・アベルの真似をするハイジにベリーズは深く頷く。
エドアンはハイジの話の内容をまったく理解出来なかったらしく、不思議そうな顔をして俺の方を見る。
そんなエドアンに簡単にハイジが言いたかったであろう事を伝えると、エドアンは驚いたような顔をした。
「…何かお前らには驚かされてばっかりだな。
それはそうと、俺はお前に聞きたい事が山ほどあるんだが聞いてもいいか?」
急に真面目な顔をしてそう言うエドアンに俺は軽く頷いて見せる。
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