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「いつもは駄目って言うのにいいの?」
「さっき説明しただろ。ゲームはもう始まってる」
俺がそう言うとハイジは一瞬何の事だかわからなかったのか呆けた顔を見せたが、俺が何の事を言っているのか理解すると口端を上にあげた。
「…何笑ってんだ?」
腕の中にいるハイジに違和感を感じたのか男は顔をしかめた。
ハイジはそんな男を見上げながら満面の笑みをこぼす。
「ふふっ、俺はライオンにも負けないうさぎさんだもんね。簡単には捕まってあげな〜い」
ハイジはそう言うやいなや自分の胸元にまわっている男の腕をしっかりと掴むと上半身を勢いよく前へと倒した。
派手にテーブルの上へと投げとばされたその男は、テーブルに全身を強く叩きつけられ痛みで話すことすら出来ないのかテーブルの上で静かに痛みに悶え始める。
「いってぇ〜おでこテーブルで打ったぁ…」
額を抑えながら涙目でそう訴えてくるハイジに俺は溜め息をつく。
「前くらい確認しろ。危ねぇだろ」
俺が強めの口調でそう言うとごめん兄ちゃん、とハイジは嬉しそうに笑った。
ハイジは額をバシバシと数回自分で叩くと右肩をぐるりとまわし、ゼロとベリーズの方に向き直る。
「次行ってみよっか。俺と兄ちゃんが居る限りうさぎチームは無敵さっ!」
完全に意識を戦闘モードへと切り替えた様子のハイジはゼロとベリーズを拘束する男達にそう告げ微笑む。
「ふ…ざけやがって、こいつらがどうなってもいいのか!」
「ガキのくせに生意気な真似してんじゃねぇよっ!」
1人はゼロの右腕を逆方向に捻り上げ、もう1人はベリーズの顔を乱暴にテーブルに押し付ける。
痛みに顔を歪め声をあげるゼロとベリーズを見てハイジは困ったように眉を下げた。
「ごめんゼロ、腕が外れても俺がちゃんと治してあげるから許して。ベリーズはそのまま動かないでね」
ハイジはそう2人に声をかけると足を踏み出した。
時計の針が動く間もなくハイジはベリーズをテーブルに抑えつける男の顔に横から蹴りをいれ、すぐに体勢を立て直すとゼロごとゼロの腕を捕らえる男にタックルを繰り出した。
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