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「何かあったら呼べっつっただろうがっ!!」

そう言って怖い顔で俺を怒る鶏さんに呆気に取られる。

何もそこまで鶏冠を立てる事は無いのにね。

「お前を呼んだ覚えは無いんだがな」

ノアのおじさんは鶏さんの登場に明らかに面白く無さそうな顔をして鶏さんを睨み付ける。

「俺だって正直面倒くせぇからこんな事したくねぇよ」


そうボヤく鶏さんをおじさんは鼻で笑った。

「いつからテメェはイイ子ちゃんになったんだよリズ。フック船長と寝たのか?」

半笑いでおじさんがそう馬鹿にすると周りに居る囚人達から笑い声が上がった。

「生憎俺にはエドを襲う勇気はねぇよ。

それに俺がイイコな訳がねぇだろ。

エドにこいつらがアンタに掘られねぇようにって頼まれてんだよ。

つー訳だからお楽しみ中の所悪いがゼロとハイジは返して貰うぜ」

鶏さんは面倒くさそうにそう言うと乱暴に俺とゼロの腕を掴んで外へ出て行こうとする。

フック船長って鶏さんの弱みを握ってたりするのかな?とボンヤリと考えているとフっと肌寒さに気付く。


俺は慌てて鶏さんの腕を引っ張った。


「ちょっと待って、待ってってば!」

外へ向かって引きずられながら激しく抵抗する俺に鶏さんは怖い顔をする。

「何だよっ?!まだノアに用があるって言うのか?こんな所に居たら確実にどんどん面倒な展開になるんだ。そんなの俺はごめんだ」

「違うって!見て!俺裸なの!!服着たいよー」

俺がノアのおじさんの足下に脱ぎ捨てられた自分の囚人服を指差し必死に訴えると鶏さんは俺の方を見てピタッと足を止めた。


「あ゛ー…っ面倒くせぇなぁもう」

ブチブチと文句を言いながら鶏さんは服を取りに行こうとする俺を静止させ、ノアのおじさんの所へ戻っていった。


鶏さんって面倒くさいって言う割りには世話焼きだ。


きっと捨て猫とか見捨てられないんだよ。



鶏さんがノアのおじさんの足下から俺の囚人服を拾い上げるとそれを黙って見ていたおじさんが口を開いた。


「船長に言っとけ、俺がいつまでも黙ってると思うなってなぁ」

威圧感のある声でそう言い放つおじさんに鶏さんは視線を泳がせ小さく息を吐いた。




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あきゅろす。
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