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…しかし、エドアンは革命家で教祖様だったのか。

ネバーランドのトップと言う立場を確立している以上ただ者では無いとは思っていたが。

「もう気がすんだだろ。そろそろ仕事に戻ってもいいか」

そう言って何とも言えないこの空間から脱出しようとチェシャ猫の体を押し退けようとするがチェシャ猫に腕を掴まれ阻止された。


「だーめ。まだ逃がさない」

さっきよりも強力に壁に縫い付けられて背中に嫌な汗が流れる。

「…やめろっ」

俺の首筋に顔を埋めて唇を滑らせていくチェシャ猫に嫌悪感で俺の肌は粟立つ。

顔を背けて完全に拒絶を見せる俺が面白いのかチェシャ猫は服の中に手を侵入させ俺の腰付近を際どい触り方で撫で始めた。

余りの気持ち悪さに吐き気がする。

「そんなに嫌がらなくてもいいのに」


「…俺がお前に蹴りを入れる前にやめろ」

俺がそう言って睨み付けてもチェシャ猫は手を止めようとしない。

「遠慮しなくても思いっきり抵抗してくれていいよ。俺実はどMなんだよね」

…どSの間違いだろ。

「あー、その顔は信じて無いでしょ。本当だって、俺どMが行き過ぎてどSになっちゃったの。わかる?」


「…わかる訳ねぇだろ」



「本当は切り刻んで欲しいのは俺なの。苦痛と死の恐怖を感じたいのも俺。だけど誰も俺の欲望を満たしてくれない」


…成る程な。だから他人を切り刻んで自分がされたように錯覚する疑似体験をする事で自分の欲望を満たしている訳か。

変態の代名詞のような男だな。

「…ちょっと待てよ。何でそんな事を俺に話すんだ」


疑問に思いそう尋ねるとチェシャ猫は手を止め俺の目を見つめてきた。

「ラクハをじっくり観察してわかったんだけど、多分お前俺が今まで会った事がある人間の中で一番どSだと思う」

まさかそんな事を言われるとは思っていなかったので一瞬何の事だか理解できなかった。

「…何を根拠に」

不快感丸出しでそう抗議する俺にチェシャ猫は笑みを浮かべた


「そんなの目を見ればわかる。お前の瞳の奥には悪魔がいる。恐ろしく冷酷なね」


チェシャ猫のその言葉は俺にとっては最も聞きたくない言葉だった。



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