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短編小説
再会 3
「な、なんでやラディア」
「おじいちゃん、ひどい・・・」


地面というか絨毯と熱烈なキスを交わした2人の少女が鼻と頭(後頭部)をさすりながらジト目で自分を撃墜した相手を見る。

そしてもう1人の少女は


にゃ〜〜????


仰向けに引っ繰り返っていた。





シセルの砲撃によって。







「いきなり酷いよシセル!!」


桃子によって介抱され直ぐに目を覚ましたなのはの第一声がこれだった・・・

まあ、怒りと文句で迫ったのだが突き出されている手(砲撃用魔力充填済み。何時でも撃てます)によって距離は置かれているが・・・・・・
この時、自分達を撃墜したのがシセルじゃ無かった事に胸を撫で下ろしていた少女が2名ばかりいたのは秘密だ。


「主を守るのは使い魔の務め。わたしは何も間違った事はしてないわよ?」

「なのはがヒューを襲ったみたいに言わないで!」

「みたいじゃなくて、実際にフューグを危険にさらしたのよ」

「そんなことしてない!」


なのはとシセルの言い合いに、鼻と後頭部をさすりつつ理由を訊こうとしていた少女達とその他一同は成す術無く傍観者へと回っていた。


「わたしが何故フューグをずっと抱えていると思っているの?」

「知らない!」

「なのはちゃん、少しは考えなさい」


うーと睨みながら頬を膨らませるなのはの即答に、呆れたと溜息を吐くシセル。


「そのローブの下はまたガリガリなのかな?」


そんな(ある意味)硬直して進みそうにない事態に問いが投げかけられる。

視線が集まったのは苦笑を浮かべた高町士郎。だが、その目には何処か確信があった。


「そういえば、翔に初めて会った時はかなり痩せ細っていたな」


思い出した恭也の言葉に一同の視線はラジェムに集まり


「そうですよ」


シセルが肯定した。


「あの時は・・・・・・・・・確か、急な成長で骨が脆いって言ってたけど」
「今は先天的に体が弱いのか、それとも急な成長のせいか、どっちなんだい?」


当時を思い出しながらの桃子の言葉を継ぎ、士郎が尋ねる。
まあ、“先天的に”の部分は説明していなかったラジェムの容姿――真っ白な髪と白い肌、赤い瞳――による。


「両方です」


士郎の問いに、シセルの腕の中から顔だけ向けたラジェムが答える。


「この髪と目で予想はつくでしょうが、アルビノです。それに急成長で、強化魔法を使わないと立ち上がるのも辛いです」


続けられた説明に一同絶句。


「わたし達があなた達を止めた理由は分かったかしら?今のフューグに飛び付いたりされたら、骨の数十本は軽く折れてしまうわ」

「「「ごめんなさい」」」


更に続けられたシセルの言葉に、飛び付こうとした3名は頭を下げた。


「未遂だから気にしなくて良いよ。ここまで体が弱いのは僕のミスだし」

「久しぶりに大ポカやらかしたからな」

「自分でも失敗したと思ってるから言わないで」


ラディアの言葉に顔を赤くし俯くラジェム。


「どういう事?」

「兎に角早く成長して皆さんに会いに行かなきゃと、そればかり考えたせいで成長を急ぎすぎまして」

「骨どころか内臓もついてこれなくて超虚弱児になってしまったのよ」


美由希の疑問にラジェムとラディアが答える。


「成長を急ぎすぎたって、今何歳なのかしら?」


その返答に桃子が当然の疑問を抱く。

まあ、成長を急ぎすぎたという10歳位の見た目から、翔との初対面時(5歳前後の容姿で2歳)を思い出し同じ2歳から3歳だろうと予想しているが。
ちなみに、士郎と恭也、美由希も同じ位を予想していた。


そしてラジェムは口を開く。














「1歳になったばかりです」










『はぁ!!??』




――隣家まで悲鳴が届いた――



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