古今和歌集 0365 立ちわかれ いなばの山の 峰におふる まつとしきかば 今かへりこむ 在原行平 貴方とお別れして 私は任国の因幡の国へ行くが 稲羽の山の峰に生える松 その松のように私を待つと聞いたならば 私はすぐに帰ってきましょう。 「いなば」は「稲羽」と「去なば」の掛詞。 「まつ」は「松」と「待つ」の掛詞。 「いなばの山の峰におふる」は「まつ」を導き出す序詞。 作者が因幡守として任地へ赴く際の離別の宴で挨拶として詠まれたものであろう。 旅立ちの歌では、関係のある地名を詠み込むことがよくあった。 20070915 彩綺 |