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御題
散る為に咲いた花
ぽとりと
花が落ちる
深紅の花弁も鮮やかなまま
「まるで、首が落ちるみたいだ」
そう呟くのはある墓の前
落ちてなおその美しさを保つ花をそっと手に取り、墓に供える
「美しいまま落ちるのか、咲いたまま枯れ果てるのを待つのか、どちらがいいのかな、山南さん」
無論、答える声はない
一枝手折る
まさに咲き誇る
まだ瑞々しさを保ったままで
「このほうが、いいのかな」
立ち去ったあとには
二輪の椿の花が並んでいた
春近い陽の光を浴びて
2007/04/27 彩綺
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