[携帯モード] [URL送信]

君の声











ある日の午後




車に乗る二人の男

一人は手短に運転手に行き先を告げる
そして、もう一人は持っていた書類に目を向ける

車は動きだし、暫しの沈黙が車内を包む

___パラ…

「……………」

「……彼女もダメなようだね…」

一人の男性の方が書類を見ていた男性に向かって呟くように言葉を発した

「……はぁ、ですね。
どうやら、この履歴書も粗方嘘のようですし…」

バシッと音をたて履歴書の書類を座席へと置いた

「これで何人目と思ってるんだい、沢田綱吉
メイドとして、雇った者はそれ相応の仕事をしてほしいものだ」

「…そうですね。雲雀さん
もう少し審査を厳しくするべきのようですね。
ああも、雇ったメイドがオレ達目当てでは仕事にも支障が出ますし……
………何より、隼人が大変そうだ」

「決定だね
それじゃあ、彼女は僕が丁重にクビにしてあげるよ。君はそこまで暇ではないだろうからね」

「程ほどに頼みます。雲雀さん
相手ファミリーの情報もちゃんと聞き出してくださいよ。後、決して殺したりはしないで下さい
重症を負わせる位で充分ですから…」

「本当にそうゆうところは昔と変わらないようだね。……まあ、構わないよ。
だけど、僕なりには楽しませてもらうよ」

妖艶な笑み
しかし、それは何とも恐怖を感じる

「雲雀さんも昔と今じゃ余り変わってませんよ」

苦笑いをしながら言葉を返す
それと同時に車は目的地に着いたらしく停止した

車が来るのを待っていたのだろうスーツを着た男が歩いてきて車のドアを開けてくれる。
開いた扉から先につんつんと尖った髪型をする男、この屋敷の持ち主にしてイタリアで最強と吟われるマフィア、ボンゴレファミリー現ボス、沢田綱吉が出る。それに続きもう一人の男、ボンゴレファミリー幹部、雲の守護者、雲雀恭弥が出る


革靴をコツコツと鳴らし、
デカイお屋敷の中へと足を進める。

____と、その時
先を歩いていた沢田綱吉が足を止めた

突然止まった沢田綱吉に目を向ける雲雀恭弥。口を開こうとしたところそれを遮るように、沢田綱吉が言葉を発した

「……雲雀さん
あそこを見てください」

沢田綱吉の低い声に対し、何かを感じ雲雀恭弥はあそこと言われた方向に目を向けた

「…!!………赤い………、血……?」

植え込みの側面から見える何か
さほど遠くはないが、近くもないそれに経験は積んでいるからだろう瞬時にそれが血だと気づいた

雲雀恭弥の言葉に沢田綱吉はやっぱり…と呟いて駆け足でそこへと向かう
雲雀恭弥は部下であろう者達に侵入者があったかを聞く

部下達は全員首を横に振り今日は誰一人ボンゴレ邸に来ては居ないと言った
メイド達の数も減っていないと聞く辺り、ボンゴレの情報を盗むために潜入しているメイドが殺られたってこともないし、殺った訳でもないだろう

第一ボンゴレがただのメイドの事を、スパイだと気付いていることをスパイである彼女本人は気付いていないだろう

現に上に目をやるとシーツを沢山抱え、歩いていた
まるで、一生懸命に仕事をしているのをアピールしているようだ
その姿に雲雀恭弥は口角を上げ、そのアピールがすぐに無駄になるとは知りもしないで頑張る彼女の姿を滑稽だと見ていた






一方、雲雀恭弥が上を見上げそう考えている間、沢田綱吉は血が出ている場所へと到着していた

その場所は見えた場所からは感じなかったが、近くに来れば強烈な血の匂いがした

それに色んな現場を感じてきた沢田綱吉は一瞬、苦い顔をしたがすぐに、真剣な表情に戻り植え込みの草をかき分け血を出している人物を見る

____ガサッッ……

「……っ!!!!!」

驚いた。
だって、そこにいたのは



頭から血を流し倒れている




まだ、ほんの幼い





−−−−−−−−子供だったのだ








[次へ#]

1/20ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!