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君の声
緊張感



……ザワザワ……


扉の向こう側
沢山の人の声がする
今まで感じたことがない緊張感
こんなこと此処に(この世界に)来る前に任務で男装して参加した時以来だ
しかも……あのときとは緊張感が違う

任務だったってのもあるし、今みたいに幼い子供でもなかった
接触する人物が女性と言うこともあり、私は男の子になって行っていた

………なにより、一番違うのは
アレン、…仲間が傍に居ない


――――ポン…

『…(っ?)』

「大丈夫だよ、季夜
オレや…リボーン、皆が居る」



…ぁあ…でも

今は沢田さん達が傍に居る
頭を撫でてくれる優しい手が私の緊張を溶かしてくれる

無表情は得意なので顔に緊張しているなんて出てないと思っていたが、沢田さんにはお見通してだったようだ


「…えー、では本日の主催者
ボンゴレファミリーのドン・ボンゴレと守護者の皆様です」

扉の向こうから沢田さん達を呼ぶ声がする
ドンなんたらってよく分からないけど沢田さん達がさっきまでのほほんとしていたのに、声がしたとたん真剣な顔つきになったってことは此処から出ていくのだろう

「それじゃあ、オレ達は先に行くよ
季夜、リボーンも後からだから一緒に入っておいで
怖くなったら何時でもオレの所に来たらいいからね」

「今回はお前のお披露目なんだ
他のファミリーに無礼な行動をして10代目に迷惑かんけんじゃねェぞ。お前も一様はボンゴレなんだからな」

「季夜、うめェ物いっぱいあるから沢山食えるのな!」

「極限に笑っていればいい!」

「ぼ、僕も居ますよ、季夜
安心して後から会場へはいってきてください」

「クフフ…何かあれば僕が直ぐにでも地獄を見せて差し上げますよ」

「六道骸と同じ考えってのは癪に触るけど…まぁ、嫌なことがあったら言いなよ
……咬み殺してあげるから」

「おい、骸と雲雀さん何幼い季夜に言ってんですか
教育上よろしくありません」

「ハハッ!まるでツナは季夜の父親のようなのな!」

「そりゃ!何だかんだもう季夜がボンゴレで過ごして半年になるしね
父親のような心境にもなるよ」

「でも綱吉、余り父親面し過ぎるとそのうち季夜に嫌がられて、挙げ句に近付くことさえままならなくなるんじゃない?」

「Σえ"っ…」

「雲雀、ツナにトドメを指すようなことを言うんじゃねェ
オラ、ツナてめェも落ち込んでねーで呼ばれたんだからたったか行け」

ゲシッとリボーンさんに蹴られる沢田さん
そのまま扉にぶつかり出ていった
部屋の外からは沢田さんの「リボーンの奴、容赦ねぇ」という声がした
それに続き、他の皆さんも私に行ってくると声をかけて部屋を出ていった
私は、皆さんが出ていく前に慌てていってらっしゃいの意味を込めて手をふった。そしたら、それに気付いた何人かが笑ってくれた


『《皆さん優しいですね、リボーンさん》』

意思疏通の為のスケッチブックも持ってきているのでまだお呼びのかかっていない私は、一緒に出ることになっているリボーンさんと会話をする

「フッ…何だかんだ、
お前を可愛がってるからな」

『《…有難いですけど
たまに恥ずかしくなります》』

「どうしてだ?」

『《慣れないです…
皆さん…優しすぎて(たまに、アレン達を思い出して)戸惑います…》』

「……そうか」

ここの皆さんは優しくて温かい
だからこそふとした瞬間思い出してしまう


【「季夜」】

微笑んで私を呼ぶアレンの声

皆も今は危険な中、戦っているのに…私は安全な所にいる
それが凄く申し訳無い

「―――帰してやる…」

『(…え?)』

「必ずツナやアイツらが、お前を元居た場所に帰してやる

だから…
そんな寂しそうな顔をするな 」

寂しそうな顔……私そんな顔していたの……?

「今のお前には俺達が居るだろ?」

私の目線に合わせてしゃがんだリボーンさんは頭を撫でながらニヤリと笑った

なんだかそんなリボーンさんを見ていたら思わず笑ってしまった

『《リボーンさんが言ってること、さっき沢田さんが言ってくれた事と同じですね》』

「ダメツナと同じことを言ったってのは気に食わねーが…まぁ、でも季夜が笑ってくれたならよしとするか……」

リボーンさんが空気を和ませてくれたおかげで、沈んでいた気分が楽になった

流石、リボーンさん
だてに愛人さんが沢山いて女の人の扱いに慣れているだけはあると少し思ってしまったのはリボーンさんには秘密だ

「……さぁ、続きましては
ボンゴレに属しています、
最強のヒットマンリボーン様と
お待ちかねの
ボンゴレの姫君の登場です」

堂々私達の登場かと思ったが聞きなれない言葉が聞こえてきて首を傾げた

ぼんごれのひめぎみ?

『??』

「お前のことを聞き付けた誰かがそういい出してな……
まぁ……あんまり気にするな」

『(…ぁ、え、私の事だったの?)』

「呼ばれたからな、行くぞ季夜」

高くなる目線
どうやら私はリボーンさんに抱えられたようで………って、え!?

『(このまま行くの?!)』

「…この方が緊張しないだろ?」

確かに、緊張が和らぐけど
…でも、恥ずかしいんですが…

…………あれ?
…なぜ紙に書いてないのにリボーンさんは私が思っていたことが分かったんだろ?

「フッ…何時もは無表情だが、今は分かりやすいほどに思ってる事が表情に出ているぞ」

また思っていたことがバレてしまった。…どうやら今日の私は緊張で表情が出やすいようだ

まぁ…今までこんなにも緊張したことなんてないので、仕方ないのかもしれないけど…

「これから色んな視線を浴びると思うが気にすんな
嫌なことや辛くなったら直ぐに言え」

『(色んな視線…?)…((コクリ』

さぁ、いよいよ扉を開いて行くと会場に入ると言うところでリボーンさんに言われた事
疑問に思いながらも頷くと、頭を撫でられた



数分後にその言葉の意味を理解することになるとは今の私は思っていなかった









((わぁ…人いっぱい…
任務で行ったパーティーより人が多い…))

(季夜呆けすぎだ
…礼儀正しくだぞ)

((あ、そうだった))
ぺちぺち……

(…頬を叩かなくても、
もう無表情になっているぞ…)

(え―……では、改めて
リボーン様とボンゴレの姫こと季夜様です)

((……ぇっ、と;))

(下ろしてやるから、軽くお辞儀でもしとけ)

((コクリ(よろしくお願いします))ペコリ

(よくやったな)

((誉められた♪))



(リボーンに誉められて季夜が分かりやすい程に喜んでいる……)

(綱吉、赤ん坊に嫉妬かい?)

(………オレまだ彼処まで分かりやすい程季夜を喜ばせたことないのに……)

(じゅ、10代目…;)

(ハハッまぁ、いつかツナでも出来るって)

(山本の言う通りだぞ、沢田
極限にこの中で言えば沢田の方が一番季夜と一緒にいる時間が長いしな)

(そうですよ、ボンゴレ
俺も季夜が一番なついて居るのはボンゴレだと思います)

(ありがとう、皆)

(クフフ…まぁ…でも、季夜がどう思っているかなんて知りませんがね)

(折角皆のおかげで持ち直そうとしたのになんでお前はそんなトドメのような言葉をくれるかな、パイナップルめ)

(パイナップルとは失礼な)



(何アイツら言い合ってんだ)

((何かあったんですかね?))


遠くから何かを言い合う沢田さん達を見て不思議に思う私と呆れているリボーンさん

そして周りの招待客の人達から視線が向かっているのにそれに(話に夢中で)気づいていない沢田さん達だった








物凄くしていた緊張はいつの間にかリボーンさんや沢田さん達のおかげで何処かに飛んでいってしまっていた



2015/4/29

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