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君の声
夢見


ふらふら、覚束ない足どり

ポフンッとベッドに倒れ込んだ音

今の状況を一言で表すのなら間違いなく疲れた
何にと聞かれたら、まぁ、色々…

一つは数時間前に帰られたハルさんと京子さん、そして屋敷内に居るクロームさんによる、着せ替え人形

もう一つは沢田さんに散々からかわれた事
顔を真っ赤にさせて、凄く恥ずかしい思いをした

今日は本当にほんとっーに、精神的に疲れた
くたくたです

そんな訳で私は漸く笑っていた沢田さんのお膝から開放されて、自身の部屋に戻ってきたのだ


正直、眠い


お風呂とか今はいいからとにかく睡眠をたっぷり取りたい状態だ
と言うわけでお休みなさい


…くて…

『(スー…)』





――コンコン,ガチャ


「季夜、夕飯だ……
………なんだ、寝ちまったのか」

コツコツと革靴を鳴らし、ベッド迄近づく
部屋に入ってきたのは、夕飯の仕度を終え、季夜を呼びに来た獄寺だった

季夜が寝ているベッドに近づいた獄寺は布団を被らないで寝ている季夜に掛け布団を被せる
少し身動いだ季夜に思わず頬が緩んだが直ぐに引き締める

何だかんだ、獄寺はまるで母親の様に季夜の面倒を見ており、優しい(本人は否定的)ので季夜も獄寺の事を気に入ってたりする

季夜の寝顔を見た獄寺は頭を一撫でして部屋を出ようと開いたままの扉へと足を向ける


「(後で、季夜が起きた頃にでも飯を持ってこねぇとな…)」

そう考えながら部屋を出る獄寺

―――――その時だった


ブーー、ブーー、ブーー!!!


「!?警報…侵入者か!!?」

タッタッタッ

数人の足音が此方へと向かってくる
獄寺は驚きながらも、真剣な表情をし、誰が来てもいいように構える

「居たぞ!!守護者の一人だ!!」

「チッ!何で敵がこんな深い場所<とこ>迄入って来てるんだ!!!!」

「守護者は手強いぞ!
用心して殺れ!!!」

獄寺は、季夜の部屋へと続く扉を閉めて敵が入らないように持っていた鍵をかける
それから素早く自身のボンゴレ匣<ボックス>を開匣する

「果てやがれっ!!」

――――ピューーー、ドカァンッッ

匣<ボックス>から出てきたダイナマイトは獄寺の手から放たれ、敵へと向かって行った

「うわぁぁぁっ!!!」

「くそっ、やはり…守護者相手は一筋縄では…いかぬか……」

一瞬で敵を倒した獄寺
まだ、状況が理解出来ないなか油断は出来ない
それに獄寺にとって絶対的なボスである綱吉の事も気がかりだった

綱吉が敵に殺られるなんて、満に一つも有り得ないと思っては居るがそれでも心配なものは心配だった

そう考えて居るとまた此方へと向かってくる足音
先程より数が多いい事が分かる
念のためだと獄寺はボンゴレ匣<ボックス>の一つを開匣した

「ニァッ」

中から出てきたのは何とも可愛らしい仔猫だった

「瓜、部屋の中で季夜っつぅガキを見ててくれ!!」

何時もは反発的な、瓜だが今回はすんなりと獄寺の言葉を聞き、獄寺が鍵を開けた、扉の中へ入って行った
瓜が部屋に入ったのを確認した獄寺は再度扉を閉めて鍵をする

丁度それらが終わると敵が廊下の角を曲がり此方へと顔を出した
やはり先程に比べ人数も、所持している武器もそして、経験値も断然違った

「マジ、テメェら一体何者だ…」

「今からこの世を去ることになるお前に名乗るな等ない!!
死ね、嵐の守護者、獄寺隼人!!」

敵が何かを投げてくる
獄寺は一瞬でそれを目で捉え、行動に移す

タッと、地面を蹴り左、右と自身に降りかかる物、ナイフや小さい爆弾を避ける
その素早い動きに、敵は驚きながら流石、守護者と言うだけはあると思った

「…そんなんじゃ、俺に当たらねぇぞ?」

「ふん。これは言わば、挨拶のようなもの……
本番は此れからだ!
行け、お前らっ!!」

大勢で掛かってくる敵
獄寺は先程と同じようにダイナマイトを投げようとした
が、後ろから来た人が無駄のない動きで、敵を床に伏せさせていた

その人物の登場に獄寺は目を見開き、喜んだ

「き、貴様は!
ボンゴレ]世<デーチモ>沢田綱吉!!」

「10代目!!」

額に、手に灯る
オレンジ色の暖かな炎
そして、瞳に宿る強い意志

「残るはお前だけだ
観念するなら、今のうちだが…
まだやると言うなら

手加減はしない」

綱吉の気迫ある言葉と同時に、残る敵一人を取り囲むのは今、本部に居る守護者達、そして帰ったばかりのリボーン

それぞれ守護者の傍らには倒した敵の人達が転がっていた

「……っく、そ……」

―――ガクッ

観念した最後の敵はその場に膝を着いた。それを確認した獄寺は素早く座り込む敵を動けないように縛り上げた

「後は僕に任せてよ
じっくりと何処のファミリーからの使いか聞いてあげるから」

「ひぃっっ」

「…頼みます。雲雀さん
隼人、連れていって…」

「はい。10代目!」

「獄寺だけじゃ大変だろ?
ツナ、俺も運ぶのな!」

「あぁ、任せる」

倒れていた人、ざっと100を越える人数
その中の数人を獄寺、山本それぞれで担ぎ歩き出す。それでもまだ十数人は残った
その人達も駆けつけた部下達によって運ばれていった

「お疲れ、リボーン
結構早く任務が終わったんだな」

「俺だからな、当然だろ
しかし、帰ったそうそう侵入者なんてな……
どういう事だ」

「何でも、警報システムの点検中、普通は一ヶ所の点検だから他は作動したままの筈なのに、ジャンニーニが誤って全部を切ったままにしていたらしい

…んで、その一ヶ所の点検が終わって作動させた時、画面に侵入者が入ってるのが見えて、他の警報システムを全部切っていたことに気づき、急いで作動

結構奥まで敵が入って来た頃に漸く警報が鳴ったと言う訳だ」

「また、ジャンニーニの奴か……」

「沢田綱吉、いい加減他の人に変えたらどうだい…
前までは個々で何が起きても対応は出来たが今は季夜が居る

まだ、幼いあの子には抵抗する術がない。君の感で、直ぐに探知出来ても来るまでに結構掛かってたしね

今が夕食時でたまたま、忠犬が此処に居合わせたから助かったものの、居なかったら呆気なく殺られていたよ」

「…………そうですね
以降、こんなことが無いようにはしますけど、変わらず警備装置関係もジャンニーニに任せます

ただ、助手として何人か雇うことにします
そしたら、ジャンニーニのミスも格段に減るでしょうからね」

「そう。なら別に構わないよ」

「ククッ。それにしても………

ボンゴレボスであるツナに守護者である山本、たまたま居合わせた獄寺、群れるのが嫌いな雲雀でさえまさか、季夜の心配して集まるなんてな……」

「……そう言うリボーンだって任務帰りのわりに結局季夜の部屋の前に居るじゃんか」

「人の事は言えないよ、赤ん坊」


ニヤリと笑うリボーンにすかさず言い返す綱吉
そんな会話をしながら、ふと綱吉は目の前の部屋に居るであろう季夜が気になった

「…そうやあ、隼人が居たから大丈夫だとは思っているけど…
季夜平気だったかな…」

「どうせあの獄寺のことだ
もしものことが無いように部屋には鍵かけてるだろ
大体の部屋の鍵は持ち歩いてるだろうからな…」

……ガチャ

「…流石リボーン。鍵がしてある」

「早く開けなよ
どうせ君、鍵持ってるでしょ」

雲雀の言葉に綱吉は頷き、スーツの内ポケットから沢山の鍵をジャラジャラと音をさせ取り出した

その中の一つを、扉の鍵穴に差し込んだ。カチッと音がして、ドアノブを捻ると扉は開いた

綱吉達が中に入ると

「スー…」

『(スー…)』


「「「…………」」」

季夜は瓜を傍らに熟睡したままだった






(ずっと寝てたのかな……;)

(部屋の外はダイナマイトやら銃声音で、煩くて寝てられる筈がないんだがな…)

(この子、将来大物になるよ)


((……ぅん、スー…))



今だ夢の中



2015/1/6

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あきゅろす。
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