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君の声










……カタンッ

「原因分かったか、シャマル」

沢田綱吉は近くの部屋で寝ていたシャマルを呼び寄せた一息ついたところで言葉を投げ掛けた。
それに対しシャマルは眉間のシワを深くさせて重い口を開いた

「……嫌、何も見つからねぇな」

「…!?見つからない?どういう意味だ、シャマル」

「そのままの意味だ。原因と言われるもんが何処を探しても見当たらねぇ
…考えられる理由としては、この坊主の声が出ない原因は、体に傷を負ってる所から見ても……

精神面の方だろうな」

「精神面…」

「強い衝撃、もしくは言動、恐怖、いずれかで間違いねーだろな……まだ、こんなにも幼いってのに一体どんな目に会ったんだかな…」

「……」

苦い表情で話す二人をよそに、季夜は声が出ない原因が分かっていた。起きたときから違和感が喉にあった。声に対してではなく、別の何かに
それに対し声が出ないと気付いてようやく分かったのだ。

私の喉には今、イノセンスがない
ということに

イノセンスが何処かで、何かの拍子で離れたとき私の声も多分持っていかれてしまったんだ。だから、声を失ってしまった

早くイノセンスを探して、本部に帰らないときっと今頃皆心配してる筈だよね

てか、此処は一体何処なのだろうか

あのAKUMAの能力は多分瞬間移動だったのかな?だから私イタリア?に飛ばされたのかな
この人達さっきからイタリア語で会話してるから此処はイタリアなのかな?
多分そうだと思うんだけど……
質問とか出来ないしな

てゆうか、どうやって帰ろう
お金はないし……あ、教団の服!!
あれは、ヴァチカンの聖職者証でもある。それで、帰れるかも

は!でも、私今服別のだった……?
かなりブカブカな気がする
汚れてて着替えさせてくれたんだ……
……あれ、誰が?私女の子だよ?
ま、まさか目の前の男の人達が……

…………
ん?………んん!?


服を掴んでるのは、私の手だよね
感覚もあるし、間違いではないよね
私こんなに、手小さかったけ?

飛ばされた時に縮んだ…とか?

ふと、窓の方に顔を向けた
そこに写っていたのは…………


『     …(゜ロ゜) !!?』


金髪、ブルーサファイアを思わせる瞳
これらは、コムイ室長が作ってくれた男に見える機械のおかげ。まぁ言うと幻覚のようなもの。これ、本当に凄い。窓ガラスの反射まで騙してる…
それは言いよ。このカツラを取れば元に見えるし

それじゃない!!

どうゆうこと!?私……私…





幼くなってるんですけどーーーー!!!?






ーーペチペチっ

ふぇぇぇ!???何時もよりもっちもちの頬、短い脚、腕。わ、私若返ったのか!?
何で!?何でだ!?

えぇぇ!??

一人パニックになる季夜
しかしそれに沢田綱吉、シャマルは気付いて居なかった。季夜は表面上は無表情を貫いていたからだ
内心は大パニックだが…

「おい、ボンゴレ坊主。それで、これからこの坊主をどうする気だ?」

そんな、季夜のパニックを知らない、二人は尚も話し合っていた

「もちろん、当分は此処に置くつもりだよ
この子の親が見つかるまでわね」

「……やっぱりな
俺はその事に関して却下はしねぇ。
寧ろ、この坊主を此処に置くことは賛同したいくらいだ。」

沢田綱吉は反対すると思っていたシャマルの賛同に驚いた。何か悪いもんでも食ったんじゃねーか的な目でシャマルを見る
そんなシャマルは気にしないで話を続ける

「だが、問題は今任務に出ているあいつらだ。隼人は何かと、お前を心配して納得はしねーだろぉな
そして、一番の難関はあいつだな」

シャマルが言ったあいつ
その人物が直ぐに頭に浮かんだ沢田綱吉は苦笑いをした。

「…確かに、リボーンが一番難関だな」

「最近此処にお前ら目当ての奴が多いいらしいし。余計にリボーンはこの坊主の事を疑うだろうな…
おい、ボンゴレ坊主。この坊主を置くのは構わねぇがリボーンに殺らせるなよ」

「……あぁ。分かってる」

真剣な空気の中、季夜は尚もパニックになりながら、無表情を貫いていた















(何で、どうしてぇぇ!???)



(最初に君を見つけた時からオレは君を此処に置くことを心の何処かで決めていたのかもしれない)

(この時俺がこの子を置くのを賛同したのは、概にこの子の何かに惹き付けられていたのかもしれない)


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