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星座彼氏
忘れ去られた弁当箱(蟹)


「錫也はずるいよ」

「どうして?」


なまえが弁当を開きながら呟く


「いや、錫也のお弁当を食べるあの3人がずるい」


俺も弁当を開く
生憎月子、羊、哉太はレポートの居残りでまだ食堂に来ていない

なまえとはいつも一緒に食べているわけではないのでそんなことを言われて驚いた


「私のお弁当はいつも空の下で食べるから何だって美味しく感じるの」


でも、今日は空の下ではない


「今日は雨だからいつもみたいに外でできないの」


外は土砂振り
大半の生徒は今食堂に集まっていた


「なのに、そんな美味しそうなお弁当だされて私のお弁当が美味しく感じるわけないじゃない!」


ばぁん!
と机を強く叩く

周りが騒がしいためあまり気になる音にはならなかった


「えっと…食べるか?」

「…いらない、私の弁当がまずく感じるから」


もぐもぐと食べる姿は今まで見ている3人は違い口が小さく、小動物みたいだった


「(可愛い…)あ、じゃあ、こうしようか」

「ん?」


フォークを加えたままなまえは首を傾げる

その姿にもキュンとした


「…、あ、えっとその弁当は俺が食べるからなまえは俺の弁当食べろよ」

「私…家庭科の成績悪いもん、」

「大丈夫だよ、ほら食べな」


すっと弁当をやると躊躇しつつも目を輝かして食べ始めた

時折うっとりしながら自分の弁当を食べるなまえが面白い


(さて、食べるか…)






「…なまえ?」

「なあに?錫也
やっぱり錫也のお弁当は美味しいよ!」












「じゃなくて、ナマモノをそのまま詰めるのはやめなさい


「え、ダメな「駄目だよ」…はい」









やっぱり私も今日からあなたの虜

ごめんね、君は明日からお家でお留守番してて!





END



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