いつからだったのだろうか。そんなことも忘れてしまうほど前だったか、それさえも忘れてしまっていて、ただわかることは俺は幸村のことが好きで、幸村も俺のことが好きで。好きで、好きで、愛していて、でも普通の愛じゃなくて。みんなが聞いたら重いとか狂ってるとか言われるかもしれないけど、でもそれでも俺達はこれで満足しているから、いいんだ。痛みなんて今はもう苦しくなんてなくて、アザなんて痛々しくなくて、血なんて毒々しくなくて。でも、それは幸村が俺にするから、俺が幸村にするからで、他の奴につけられたアザなんて、ただ痛いだけで、気持ち悪くて吐き気がする。 「真田、」 二人でベットに寝っ転がっていて、幸村が体を起こしたから俺も体を起こしベットの上に座った。幸村はへらへら笑っていて、俺がどうしたと聞くと少し眉を潜めた。 今気づいた。幸村の頬が少し腫れている。俺がつけたものでは無い。どうしたと今度は別の意味で聞くと、柳に叩かれたと返ってきた。蓮二に?そう聞き返すとうんそうーと気だるそうな返事が返ってきた。 「なんか俺と真田がアザだらけなの見て、お前らはおかしいってさ。別におかしくないよな」 周りから見れば、そりゃあおかしいだろう。普通ではない。でも俺達の愛情表現に普通なんてものはない。俺達から見ればおかしいなんてことはない。ああ、そう返すと幸村はまたベットにあお向けになって、目を閉じた。 「駆け落ちしたい」 「無理だろう」 「二人暮らししたいな」 「お前と二十四時間一緒にいたら、いつ殺されるかわからないな・・・」 「お互い様だろ?」 そう言って幸村は目を開けてにいっと笑った。俺も笑い返すといきなり腕を引っ張られて幸村の下敷きになった。殴られるのかと思ったが今は違うみたいだ。相変わらず幸村はへらへら笑っていて、でも急に真面目な顔になった。 「俺達、あと何回セックス出来ると思う?」 「多分、近い将来俺はお前のことを殺してしまうと思うから」 「だから、今の内にたくさんしとこう」 誰でも、恋をしたら狂ってしまうものなのだろう。俺達はそれが重すぎた。だけどそんなの悔やんでいない。今の内にたくさん愛してくれれば、いい。痛くてもいいから。俺だっていつか幸村のことを殺してしまうと思うから。どっちが先に殺してしまうかわからないけど、どっちかが死ぬまで、二人が死ぬまで、愛して、愛して、愛して、愛す。 「・・・幸村?」 ぽたり、と生暖かい水が頬に落ちてきた。幸村は笑っているけど、こんな悲しい笑顔の幸村は初めて見た。大丈夫だ、そう言って涙をぬぐってやるけど、幸村の笑顔はやっぱり悲しげなままで、俺は今初めて本当に自分達が異常だということに気がついた。(本当はとうの昔から気付いてた)(気付かない振りをしていただけで) 健全な夜なんていらない (今更気付いてももう遅い)(それぐらい知っている) 眠いんです。それだけ Cathy |