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幸福サクリファイス


今日は久しぶりに真田とテニスをする。大学受験のために毎日毎日勉強で疲れていたし、いい息抜きになるだろうと思ったから真田を誘った。真田も賛成してくれて、日にちは今日になった。俺達は学校で待ち合わせをしているから今から向かう。久しぶりに真田とふたりきりだ。俺は浮かれた気分で家を出た。勉強ばっかりで正直しんどかったし、真田とあまり会う機会がなかったから今日は本当に幸せ。こんなに幸せな気分になったのは久しぶり。俺はにやけそうな顔を押さえて、急いで学校に向かった。
学校に着いて、時間を見るとまだ三十分前だった。早く真田来ないかなーとかテニス久しぶりだなーとかテニス終わったらどこかぶらぶらしたいなーとか色々なことを考えて、待った。けれど約束の時間になっても真田は来ない。真田は約束の時間に遅れて来るなんてことは滅多にない。あったとしても連絡をくれるはずだ。俺は手に持っていた携帯を開き、真田に電話する。でも出ない。俺は不安だったけど、仕方なく真田を待った。きっと、たまたま。なんでもないはずだよな。けれどもう約束の時間から約一時間。真田は来なかった。俺はさすがに心配で真田の家に向かおうとした。すると携帯から音楽が鳴った。俺はすぐに携帯を開いた。そこには、公衆電話の文字。真田か?電話を出ると精市君!と女の人の声がした。真田のお母さんだった。荒々しい声で、凄く急いでいる様だった。

『弦一郎が・・・っ!』

次の言葉を聞いた瞬間、俺の頭の中は真っ白になった。今某総合病院に・・・そう聞いてブチリと電話を切って、全速力で走り出した。真田、真田!心の中でそう叫んだ。お願い、無事でいて!さっきまでの幸せは一気に恐怖に変わった。









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