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Look me!


立海烈伝ネタ注意





















少し坂になっている真っ直ぐな道。後ろを振り向くと海で、横を見るとちょうど電車が通り過ぎて行った。隣に真田がいて、俺達以外は誰もいない。真田と一緒に帰るときはあまり会話が無いけれど、一緒にいるだけで心地好いから俺は満足だった。この気持ちを理解したのはつい最近。柳と真田のことで会話してたら(内容は内緒!)「精市は弦一郎のことが好きなのか?」って言われて、それでそうなのかなぁ、とか思ってでもそれからいつもより真田のことが気になって、やっぱり好きなんだとか思った。なんで真田なんだろうとか、男なんだろうとか思ったけど、でも俺はやっぱり真田のことが好きみたい。でも真田は最近様子が変。理由はわかってる。切原君だ。あの子が俺達に負けてからテニス部に来なくなった。でもあの子は素質があるから勿体無いと思っている。それを真田は一番感じていた。今だって、なんかボケーっとしてるし。

「真田」

呼んでも返事は無い。真田は相変わらずボケーっと歩いている。俺は少しムカついたから、真田の顔を引き寄せて、キスしてやった。そこで初めて正気に戻ったのか、びっくりしたように後ろに逃げられた。でも俺はまた真田を捕まえて、無理矢理引き寄せる。勢いがついて俺のもとによろける、真田の顔をキスするかしないか程の距離で止めた。真田は目をぱっちり口をあんぐり開けていて、顔と唇をほんのりピンクに染めていた。真田はまだ状況を理解出来ていないようで、何かを言おうと、でも何を言ったらいいのかわからないのか、口をぱくぱくさせている。今真田は俺を見ている。真田、もう一度名前を呼ぶと、なに、となんとも間抜けな声が返ってきた。

「また、キスされると思った?」

そう言って腕を掴んでいた手を真田の頬に置いた。すると今度は真田の顔が赤くなった。ふ、と笑うと今初めてずっと俺達の目線が合ったままだということに気付いた。キスに気を取られていたのか、俺も焦っていたのかわからないけれど、自分からやったことだ。絶対に俺からは目線を外さない。なんとなくそう決めた。でも、真田も外さない。顔も近いまま。このままじゃキリがないから、俺は手だけを離した。ふっ、と真田の顔がゆっくりと離れて行く。と、思ったら急に地べたに座り込んだ。顔は真っ赤なままで、口もぱくぱくしたまま。目線はまだ俺に向いたまま。

「今、キスしたんだよ」
「・・・っ!な、に・・・!」

まだ理解していない様だったからご親切に説明してやると、やっと真田の目線が地面に行った。俺は手を差し伸べて大丈夫?そう聞くと真田は困ったようにああ、と返事をして俺の手をとった。立ち上がると真田は手を離そうとしたが俺は掴んだままだ。なんだと言いたそうに眉間にシワを寄せて俺を見る。俺はにっこりと笑って手をさっきよりも強く握った。

「今日は手を繋いで帰ろうか」
「・・・な!んで男同士で」
「それでも俺は真田のことが好きだから」

そうきっぱりと言い切ると真田の顔がまた赤くなった。たるんどる、とか言われたけど無理矢理手を離そうとかはしなかったからきっと嫌じゃないんだろうなとわかった。そんな真田が可愛くて、またキスしたくなった。でもまたしたら今度は殴られそうだから我慢した。真田の手を引いて歩き出そうとしたら、真田は動かなくて、下を向いていた。顔が見えなくて、どうしたと言って顔をのぞきこむと目が合って、目線をずらされた。

「・・・・・・・・・ろ」
「え?」
「・・・っ、次からは、いきなりするなっ」

真田の顔は真っ赤(さっきから赤面しすぎ、可愛い)。思ってもいなかった言葉。びっくりしたけど嬉しかった。わかったと言って笑って、じゃあもう一度キスするよって聞くと、コクりとうなずいたから顔を近付けるとあっ!と声が上がって肩を外へ押された。なんだと思ったら外、と少し言いにくそうに、恥ずかしそうにそう告げられて、俺もここが外で、しかも道のど真ん中だということに気が付く。たぶん、今まで人が通ったことは、無かった、と、思う、多分・・・。でも、次にいつ人が来るかはわからない。仕方ないから今は我慢しよう。

「・・家、寄ってくかい?」

にやりと、意味深に笑うとうっ、と言うように真田は後ろに下がった。おどおどしている真田にいいよね?と言うようににっこりと笑いかけた。すると真田は覚悟を決めたようにはー、と息を吐いて、笑った。大丈夫だよ、今日はまだ、ね?そう耳元で囁くと真田の耳が赤くなって(顔もね)、びくりと体が跳んだ。






妄想しすぎ?(笑)あの帰り道で告白しろよみたいな・・・なんてロマンチックな←



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