「・・・蓮二、いい加減にしろ」 目の前にいる男、柳蓮二は俺の右腕をがっしりとつかんだまま動かない。時は放課後。場所は3-A、俺のクラス。勿論これから部活がある。部活に行かなければならないが、こいつが邪魔をして部活に行けない。第一蓮二も俺と同じ部活に行かなければならない。だがこいつは俺のクラスに来たかと思えばいきなり行きたくないと駄々を子ね今にいたる。 「絶対に行かない」 「馬鹿を言うな」 今日は特別なことは何もない。きっとこれも蓮二の気まぐれなのだろう。蓮二は猫よりも気まぐれだ。いきなりこんな風に駄々っ子になったり甘えん坊になったり泣き虫になったりいつもいつもコロッと変わる。だから俺は最初全く蓮二のことが掴めなかった。そのせいか俺は蓮二にどっぷりとはまった。蓮二にそんなつもりは無いのだろう。しかし無意識だからこそ余計に怖い。 「・・・んー」 するり、と掴んでいた腕を抱き締める様に腕を絡ませる。 するり、すると今度はその腕を離し腰に腕を回す。そして俺の胸に顔をうずくませる。 「げんいちろ・・・」 ・・・嗚呼、部活どうすればいいのだろうか。でもこの理性を押さえろと言うのは俺には無理だ。 柳は気まぐれすぎるに違いないと言う妄想から |