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【位相空間】
『ネオテニーの憂鬱』 4 R-18 ダミ様×女体L 女装?放置表現あり

「久しぶりに帰ってきてくれて、嬉しいわ、ルークちゃん」
「初めてなら、びっくりしたでしょうけど、魔界では良くある事だからね」

顔なじみも多い、皇太子付きの侍女達は、口々にそう言うと
少し過剰なくらい俺の世話を焼いてくれる、半分は着せ替え人形の様な物だが
鏡台に座らせると、長く伸びた金髪を、綺麗にすいて、結い上げてくれたり
次々と衣装や靴、その他小物を用意してくれるのはいいのだけれど

何で全部女物なの? 確かに…今は女の子にはなってるけどね

黒が基調の侍女の衣装とは、趣が少し違う白が基調のドレス
袖口や襟元だけに留まらず、スカートの内側も外側も、
ふんわりと過剰に装飾された、レースはひらひらで、ふりふりで
その上…女物の下着の付け方までレクチャーされて、軽くめまいを覚える

男としては…ソレを着用するのは抵抗があるのだけど

コレを付けないと、胸が綺麗に収まらないだの
皇太子殿下のご命令だの、絶対に似合うから着てみなさいな
と寄ってたかって言われては、断り切れずに着てはいるけど…

やっぱり恥ずかしいよ…完璧に女の子じゃん こんな格好…
男の方の俺を知ってる奴には、絶対に見られたくないよ

特に父上には見せられない… 完全に【天使もどき】だった時とは別の意味で

一応?魔王宮から、水都に連絡は、入っているみたいだけど
後で俺からも連絡は入れておかなきゃ、きっと心配している
モニター越しでもこの姿は見せられないから、何か上に羽織る物を探さなきゃ

でも…ソレより切迫した事が…

反射的にぶるりと震え、大きく息をのんだルークの仕草に気がついた侍女は居ない
彼女達に囲まれて居るから、必死に平静を装い作り笑いはしているのだけど
今はそれどころでは無い、本当は…何か理由をつけて一刻も早く一名になりたかった

「すみません…俺…まだちょっと具合が、芳しくないんです…
殿下がお帰りになられるまで、少し休んでいてもかまいませんか?」
「あらやだ、疲れちゃったかしら、大丈夫?そう言えばちょっと顔が赤いわね」

熱でもあるのかしら?お薬を持ってきた方がいいかしら?
額に宛がわれる手が、ひんやりと冷たく、うっすらと額にかいた汗をハンカチで拭われる
慌ててベッドの用意をしてくれる彼女達は、「何かあったら直ぐに呼んでね」と心配してくれるのだが…
「すみません」と、丁寧にお礼を言いながらも…俺の心臓ははち切れそう脈打っていた

扉に鍵をかけ、誰も居なくなった部屋は、急に水を打った様に静かになる…
はぁはぁと浅い息を漏らすと、ルークは扉に手をかけたままその場で崩れ堕ちる
ベッドまでの短い距離すら、もう持たなかった 絨毯ので背を丸め、うずくまる
微かに聞こえるモーター音に、我慢しきれなくなった熱い吐息が重なる

「ああっ…やぁ…もぅだめ…」

はしたなくたくし上げるスカートの下に、幾重も重なるオーガンジーのパニエ
その間からはみ出る脚は、ニーハイの白い柔らかなタイツに包まれ
全体的なコーディネートには少々そぐわない、ガーターベルトに連結されているのだが

その先を見れば…理由は解る…
腰にがっちりと装着されているのは、金飾の百合の紋章が豪華にあしらわれた
女性用の貞操帯、貴族の歪んだたしなみ、留守中、愛人を管理する為の枷

弱々しい手が、堪らずソレに爪をたて、何とか外そう藻掻くのだが
物理的な錠前の他に、幾重にも施錠魔法を施されていて外す事が出来ない

昨晩散々無茶をされ、腫れ上がっている場所には気を遣われたのか?
内側を苛むはずのパーツは、予め両方とも外されはいるのだが…
肉芽の上に、半ば食い込む様に固定されている小さな玩具が、
朝からずっとソコを刺激し、嬲り続けている 

しかも…どうやら同室に居なくても、強弱が遠隔操作出来るらしく

さっきだって…侍女達が居るのを解っての「意地悪」だろう
急に強くなった振動に、悲鳴を上げる事も出来ず
彼女達の一名にでも、この振動音に気づかれたらどうしようと思えば
冷や汗が溢れ出す事くらい、当たり前の事だ

「あああっ…殿下…もう許して、許してください」

何度目の絶頂だろうか、強い雌の臭いと共に愛液が滴り、内股を濡らす
その度に熱を持ち、鈍痛に軋む内側が、それでも尚、楔を欲しがり
身体の中でうねるのだ、浅ましく…いっそ痛みなんてどうでもいいから
ソコも責め立てられていた方が、マシだったかもしれないと思う程に
堪りかねて自ら慰めようにも…ぴったりと肌に吸い付く枷は指の侵入すら拒み
自慰の自由すら許してはくれない… これも【罰】だと言うのだろうか?

助けて、早く帰ってきてください…殿下 このままでは気が狂ってしまう

拭う事も出来ずに、ぽたぽたと流れるルークの涙が、結晶化して転がる
真綿で首を絞められる様な【生地獄】に、後どれくらい耐えればいいのだろう

※※※※※※※※※※※※※※

文化局から半ば連れさらわれた形で、連れ込まれたのは、見慣れた皇太子の寝室
丁寧とは言いがたい状態で、ベッドに突き飛ばされたルークは
上半身を起こしながらも、羽根を震わせてただ震えていた

どうしよう…何から説明したらいいんだろう?

絶対に見られたくなかった「天使もどき」の姿を見られたから?
それとも…あの二名との濃厚過ぎる濡れ場を見られたから?

「ダミアン様…あの……」
「脚を開いて、ちゃんとみせてごらん」

有無を言わさない緑の目が、じっと俺を見下ろす
いや…流石にソレは…二名の劣情と俺の流すソレに、まみれているソコを
そのまま彼に晒す事には、流石に抵抗がありすぎる、せめて一度シャワーを…
しどろもどろに、そう続けようとするのだが、相手はそれすら許す気は無い様だ

「自分で出来ないなら、無理にでもこじ開けるよ…」

ザワリと天井でざわめくのは、あのツタのレリーフだ
思い出すのは…ソレに自由を奪われ、泣き叫び、無理に身体を開かれた日々
もう二度と、あんな扱いはされたくない………

カタカタと震えながら、躊躇いがちに膝を割る様子を
皇太子は至近距離から覗き込む いやだ…恥ずかしいよこんなの
目を伏せ真っ赤に赤面しながら、どうにか脚を開くと
濡れたままのソコが、外気に晒されひんやりと冷たい…
その上をゆっくりとなぞる視線が、ただ痛くて…お願いです…そんなに見ないで

今すぐ何処かに隠れてしまいたい、ルークの耳に
更に耳を疑う様な、サディスティツクな指示が降ってくる

「よく見えないな?自分の指で広げるんだ…奥まで見えるように」

そんな…いくら御命令でも、そんな破廉恥な事出来ません………

返事も出来ずに膝頭を抱えたまま、シクシクと泣きはじめるルークに
皇太子は少し大げさな溜息をつくと、しっとりと汗に濡れた頭を撫でる
泣き濡れた目が、じっと相手を見上げれば、苦笑いの主の顔がソコにある

「意地悪がすぎたね…まぁいいだろう、一番に私を頼らないお前が悪いのだからね」

そう言ってツイと顎を持ち上げ、何時の通りに優しくキスをしてやれば
余程不安だったのか?夢中でソレに答えてくる、臆病さが可愛らしく
皇太子の怒りの矛先は、急速に収まってしまった

全く…白くなったぐらいで、何故、私がお前を不快に思う?等と考えるのか?

緊張が少しだけ緩んだルークのソコを、改めて覗き込めば
ああ…グチャグチャだな、流石に破瓜以外の裂傷は付けていないが…腫れが酷い
使われていた媚薬と、ゼノンの応急処置のヒーリングの効果が、まだ持続している為だろうか?
今は刹那的な興奮の方が勝り、あまり痛みは感じていないみたいだが
初めての相手を乱暴に扱いすぎだろうに…これでは…
このまま放置すれば、暫くは、歩くどころか立てなくてもおかしくない程だ

多少無理をしても、一晩で【黒】に戻る事が、ルークの望みだったとしても
ゼノンの治癒魔法頼みだったとしても…明らかにやり過ぎだ
より背徳感を味わせる事による、精神的なショック療法でも狙っていたのだろうか?
エースらしからぬ性急なやり方に、思わず眉をしかめる

酷い腹痛だけじゃなく、暫くは歩けないかもしれないな、コレでは…可哀想に

するりと伸びてきた指にソコに触れられ、そのまま続きを続行される
思わずヒクリと身体を堅くした、ルークの予想とは違って
添えられた手から直接、強い治癒魔法が身体の内側に注入される

「………殿下?」
「いいから、少しじっとしておいで…」

流石にコレでは続行は無理だな…少し休んでから続きをしよう
あの時とは違うんだから、無理強いはしたく無いからね
そう言い聞かせれば、肩を抱きしめるその腕にギュッと縋りついてくる
全く世話の焼ける子だ…まぁだからこそ可愛いとも言えるのだが

「他の翼はちゃんと染まっているのかい?広げられるなら見せてごらん」

言葉が終わらない内に、幾重にも重なり、ふわりと広げられる黒い翼
混血児故か?私のソレとは、生える位置が微妙に異なる12枚の翼は、やはり綺麗だ
完全に悪魔のソレに戻った、青みががった漆黒のその色に、安堵感と同時に
ほんの少しに嫉妬を感じている自分に気がつき、皇太子は自嘲し唇をかみしめた

「ダミアン様?」
「ああ…何でもない、他もしっかり染まっている様だね…それだけは良かった
出来れば銀色の方も見てみたかった物だね、私には見せてくれないつもりだったみたいだけど…」
「隠し事をするつもりでは…無かったのですが…申し訳ございません」

目を伏せ口ごもる様が、何時もより頼りなげに見えるのは
性転換して元々華奢な身体が、さらに小さく儚げに見るからだろうか?

「言い訳は後でじっくり聴いてあげるから、そのままお休み…今は何もしなから」

下腹にヒーリングを照射しながら、そっとその額にキスをしてやると
広げられた翼は全て身体の中に戻り、素直にコトリと落ちしてしまう
安らかな寝息をたてはじめるルークを、腕に抱いたまま横になった皇太子は
金色に変色したままの髪を弄びながら、その寝顔をじっと眺める

さぁて…目が覚めたら、どんなお仕置きをしてやろうか?

初めての性転換の上、【白】に戻ってしまったのだから、混乱していた事は理解する
本魔が思っている以上に負荷がかかっている今の身体に、無理はさせたくは無いが…
やはり…真っ先に自分を頼らなかった、連絡をしなかった事実は気に入らない
しかもよりによって、頼った相手があのエースだなんて…

私も結構嫉妬深い事は、キチンと知ってもらわないとね…

翌朝目を覚ましたルークは、上手い説明も弁解も出来なかった上に
ヒーリングを受けたまま、ウトウトと寝てしまった事に気がつく

寝ている皇太子の腕から慌てて抜け出し、寝室に備え付けのバスルームに駆け込んだ
身支度すらしていない事が、無礼だとでも思ったのだろう
ダミアンはその事に気がついていたが、敢えて寝ているふりを続けた

性交の名残を念入りに洗い流し、身支度を調えたルークが静かに寝室に戻ると
ベッドの上でニンマリと笑う皇太子が、何やら装飾過多な箱を持って手招きをしている

何だか嫌な予感… 恐る恐るベッドサイドに戻ると
有無を言わさずに、押し倒され組み敷かれる、パカリと開けられた箱の中身は
天界育ちのルークは、まだ見た事が無かった代物が…

「今日は少し忙しくてねぇ…私が戻るまでコレで遊んでいてもらおうかな?」

中はまだ痛くて辛いだろうから、外側だけにしてあげるからね
そう言って逆らう事も許されずに、填められてしまった金属製の帯
食い込む様に、ぴったりと肌に吸い付く貞操帯から
ピンポイントに与えられた強い振動に、ルークはのけぞり悲鳴をあげる

「ひっ…あああっ…やぁ…」

肉芽を直で刺激して嬲るソレに、うずくまるルークに皇太子は冷たく言う

「コレは私に隠し事をした罰だからね、留守中イイコに待っていられるかな?」
「………はい…ああっあん…」

コントローラーで、キリキリと振動の調節をしているのは、
快楽を与え続け、不自然な絶頂状態を保つ為ではない、そこまで酷くはしない
ギリギリのラインの焦らしプレイを、一日中続行する気なのは
色事に疎いルークでも流石に解るが、立場上拒否は出来ない
半泣きで承諾して、前屈みでシーツの海に沈むルークに、ダミアンは続ける

「ああ…後で侍女達に、食事と適当な衣装を用意させるからそのつもりで」

それだけ言い残すと、皇太子は部屋から出て行ってしまった
一名で部屋に残されたルークは、半ば呆然としながらも
皇太子が脱ぎ捨てたバスローブを、拾いあげて慌てて羽織る
サイズが全然合わないけど、そんな事構ってなんか居られない

こんな物填めたまま、侍女達と対面しなきゃならないなんて…
どうやったら彼女達に、最後まで隠し通せるか、今はソレだけを考えなきゃ

彼にとって、【最悪の一日】はまだ始まったばかりだ…

※※※※※※※※※※※※※※

特に狙ったワケでは無かったのだが、その日の軍議は長引いた
採決を下す現大魔王の補佐的な立場であっても、長丁場は堪えるものだ
休憩時間、濃いめの珈琲を飲みながら、提出された資料にもう一度目を通していると
ツカツカと近づいて来るのは、恋敵で長身の悪魔 今はあまり顔を合わせたく無い相手
昨晩のルークの酷い有様を見ている分、何か言ってやろうとすると
先に口を開いたのは、相手の方だった 苦笑いを浮かべて

「俺に対する牽制も解らなくは無いが、流石に放置は初心者にはキツイだろ?」

無理矢理与えられ続ける「刺激」の逃がし方すら、ロクに知らない奴に
侍女も使った公開羞恥プレイとは、俺とは別の意味でマニアックすぎるだろ?

何で知っている?だなんて聴く必要も無い、警護用のカメラで覗き見でもしたのだろう

「プライベートならともかく、公務の場でのタメ口は困るな…エース
それに…あれだけ酷い状態にしたお前に、お説教される筋合いは無いな…」

「官職」で呼ばないあたり、多少は怒りは収まってはいる様だな
まぁそうだろう、悪魔同士が誰と肌を合わせ様が、とやかく言う方が無粋だ
寝取られたくなければ、力で相手を閉じ込めるか、逃げられない様に手間を惜しまない
色事であっても同じ事、弱肉強食の実力主義、それが魔界の常識なのだが…

目を掛けている「お気に入り」に、いの一番に自分が頼られなかった事に、
よりによって俺に先を越された事実の方に、皇太子殿下は酷くご立腹の御様子
俺の顔を一瞥しただけで、ツンとそっぽを向いてしまう

ガキじゃあるまいし、他魔の目もあるこの場所で、その態度も如何なモノか
「高貴な身分」の自覚がどうにも緩いのは、良いのか?悪いのか?
ソレも何時もの事なので、エースは少しも気に止めず続ける

「まぁ…アイツが望んだ事とは言え、ゼノン頼みで無理をしすぎた事は認める
あの後ゼノンにこってり絞られたしな、だが今回の一件の原因はお前の方にあるぞ」
「私が?何故そこに私が出てくる?」

皇太子はギンと相手を睨み付けるが、エースはニヤニヤと笑う

「どうせお前の事だろう?転魔した後のアイツに、変な事でも吹き込んだろ?
【天界コンプレックス】の自分語りでもしたか?図星だろ?ソレが余計なんだよ…」

自分が【天使もどき】の姿に戻った事で、お前が傷付くとか?マジ顔で言っていたぞアイツ…
こんなのお前への不満の表れじゃないか…と、トンチキな事を考えた挙げ句に
お前に知られない内に【黒】に戻りたくて、俺とゼノンを頼ったダケだぞ、アレは
転魔して飽きたらポイの他の堕天使共と、アイツが違うと言うなら
中途半端に保護者面する前に、融通の利かない不器用さぐらい理解してやれよ、ヒエロフィリアの癖に
ろくにアイツの言い分も聴いてやらずに【お仕置き】とは…
少々器が小さすぎやしないかねぇ、皇太子殿下?未来の魔王になられるお方が?

皮肉たっぷりにそう言ってやれば…思い当たる節は有るのだろう?
急に狼狽えたダミアンの視線が、縋る様に俺に向く
自力で解決出来ない事、何か困った事にブチ当たった時は、何時もこうだ
全く…まだまだお子様な後輩と言うか、困った皇子様なのだが

こういう顔に出やすい素直な所が、妙に可愛らしく写るのは、甘え上手と言った所か?

「すまない…暫く席を外すが、後を頼む…」
「後は細かい事ばかりだ、お前の手を煩わせる程の事も無いだろう
陛下には上手くとりなしておくから、戻って来なくて大丈夫だ
どうしても用が在る時は、ホットラインで呼ぶから、出てくればいいさ」

ほっと溜息をつくと、軍議の再開を待たずして席を立ち
その場を後にしようとする皇太子の背中に、エースは、ひらひらと手を振る
まったく俺も甘ちゃんなモノだ…ルークだけではなく、
本来は、公私混同を諫めるべき相手である、ダミアンに対しても

「ああそれと、閉じ込めて手元に置きたいからって、長引かせるのは勘弁してやれよ」

今更、女には成りたくはないだろう?アイツも?
ちゃんと男に戻して、学校に戻してやれよ 出来るだけ早くな
お優しい癖に、軍部に入るのがお望みらしいからな
お前にとっても、其方の方が都合がいいだろうに
もう一度仕官させた方が、大手を振って側に置けるだろ?

「ああ…解っている、忠告は感謝するよ、エース」

ガヤガヤと謁見室に戻る、閣僚・軍魔をかき分けて、別室に消える皇太子を
怪訝そうに見る悪魔も居たが、後の議題は、比較的雑務が中心だ、
今回は正・副大魔王が揃われている以上、皇太子殿下の手を煩わすまでも無いだろう…
だが珍しい事もあるものだ、些細な事であっても、最後まで参加されるのが常なのに?
流石にお疲れか?それとも体調でも崩されたのだろうか?

情報長官の取りなしが、余程円滑だったのか?
王座の脇の空席はさほど問題にされずに、議会は滞り無く進む
中盤白熱してしまうと、夜通しに発展する軍議は時折あるが、
今夜は特に長丁場だ、夜明けまで続きそうだな

つくづく運が悪かったな…ルーク

一日千秋の思いで、ダミアンの帰りを待っているであろう彼を想い
エースはポツリと小さく呟いた

※※※※※※※※※※※※※※

そっと部屋の扉を開ければ、中の照明は落とされている
中庭側に大きく開いた窓から、月明かりだけが、部屋の奥まで射し込んでいる
元より悪魔の目だ、例え暗闇であろうが、視界の妨げには成らないのだが…
押し殺した小さな鳴き声は聞こえるのだが、その主が見当たらない

床にばらばらと散らばるのは、ルークの流した涙?
薄暗い部屋の中で、それはキラキラと光っていた

「ルーク?」

点々と散らばる涙を慎重に辿ってゆけば、ウォーキング・クローゼットの方にソレは続いている
やや重厚に作られたその扉を開け、中の照明をぱちりとつければ
その一番奥で白い塊がビクリと震え、未だに金色のままの髪が揺れる
剥き出しになっていた脚を、あわててスカートで覆い隠しながらも
物陰からおずおずと、コチラを振り返るルークの目元は、泣き腫らして赤くなっている

「殿下………」

お願いです…もう許してください…

次の言葉が上手く紡げないのか? シクシクとただ泣き続けるルークに近づくと
そっとその身体を抱き上げてやれば、肩に縋りつく腕の力は酷く弱々しい
ある程度時間は置いて、休ませてはいたが、一日中気紛れにスイッチを弄くり
遠隔操作で散々嬲った後だ、もう脚に力なんて入るはずも無い

彼なりに、抑えきれない声を、誰にも聴かせたくは無かったのだろう
何時からココに立て籠もっていたのか?
床に絨毯には粗相をしてしまったかの様に、汗と愛液の染みが広がり
しっとりと汗をかいた肌から、濃厚にかおる女の臭いに、目眩を覚える程だ

当初の予定なら…その堪え性の無いソレを、淫らな様をネチネチとなじって
更に羞恥心を煽った上で、じわじわと追い込んでやるつもりだった…精神的にも肉体的にも 
自身が誰のモノか、解らせてやるつもりだったのだが…

私を頼らなかったのでは無く、私だから頼れなかった…
その事実を知ってしまえば、その意味合いは全く違って来る

相手の気持ちも考えずに、身勝手だったのはドチラだ?

嫉妬に駆られた曲解に、一切の弁解もしないまま、
今日一日、理不尽な扱いに耐えていたのか?と思えば
そんな拗くれた征服欲は、何処かに吹き飛んでしまった様だ

「遅くなってすまなかったね、ちゃんと良くしてあげるからね」

嫉妬に駆られた事とは言え、酷い仕打ちをしてしまった
エースに指摘されるまでも無い、我ながら子供じみていたな

震える身体をただ強く抱きしめる 仲直りのKISSをしよう
まだお前が許してくれるのなら、私の事を大切だと思ってくれているのなら

横暴過ぎた私の事を、まだ好いてくれているのなら…




続く


天使ルークちゃん編では、少々出張り過ぎかもしれないダミ様
しかもコンプレックスの塊すぎて、ちょっと厄介な性格かもしれないな〜
と思うこの頃…ちょっと?いや…きっとかなり?御本尊には失礼かも?

大魔王家が何故、天使のままのルックスなのか?

天使のままの姿を尊重し、他の悪魔と同じに姿に、成らない様にしているのか?
ソレとも【黒】に変質したいのに、変質出来ないのか?

前者の設定を取ると…明らかに魔界の住人を見下した感じに
何時か天使に戻りたいと言う、天界への恋慕が強すぎて?
いくら魔力が強くても、魔界を上手く統治なんて、到底出来ないんじゃないかな?
+そんな風に嫌な感じに高飛車過ぎる?ダミ様は…何か嫌だな〜と言う思いから、
後者を採用して、元祖ルシファー様同様の?天使・聖人フェチ?を際立たせる為に 

【呪い】設定と【大魔王家の悪癖】を加えてみたのですが

ちょっと根暗設定にしすぎたかも?しれませんね ははははは…

まぁ管理人が根暗ですから、読者の皆様には生温く許容して頂けると幸いです

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