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【位相空間】
『ネオテニーの憂鬱』 1 R-18 A×女体L?

その日も特別な事は何もなかったが、日々多忙な情報局長官は
執務室に居座りデスクワークに明け暮れていた、そんな何時も通りの夜だった

『助けてください、誰を頼ったらいいか解らなくて…』

肝心の名前もなく、唐突に端末に入って来たソレは、SOSらしいメールだ
誰だ?直でココに繋がるパスワードを知らせている奴は、極僅かなのだが???
発信元は…仕官学校・電算室? 今更?学生のガキの知り合いなど居たか???

順番に思い当たる相手を考えているウチに…
全ての条件が当てはまるのは、アイツしか居ない事に気がついた
水都に引き取られた後、直ぐに仕官学校に入ったとは聴いてはいたが

ここ最近、魔王宮で全く姿を観ないので、すっかり忘れていた
悪魔になっても、クソ真面目そうなガキだったからな…
大方「今までの遅れを取り戻す」とか何とか言って
学校に閉じこもって、猛勉強中と言った所だろう? 
だがそんな奴が、何故俺に助けを求めて来る?

強制的な転魔に関わった事も勿論だが…それ以上に
最後の【悪戯】が効き過ぎて、嫌われているならまだ解るが?

まぁ…最初の出会いがどうであれ、知らない仲では無い
どうしているのか?気にはなる相手でもあったから
様子ぐらい見に行ってやるべきだろう…わざわざ御指名の事だからな

時刻はすでに深夜過ぎだが、緊急扱いでも構わないだろう
ソレ以上に息抜きも必要だろう?我ながら? 少し席を外す事を秘書官に伝えると、
高官用の馬車の中、学校寮の管理室に連絡を入れる

本来なら面会時間など、とっくに過ぎているのだが…相手が悪いと感じたのか
時間外の面会はすんなり了承された様だ…ご丁寧に面談室の準備までしてくれるそうだ
俺だけでなく、ルークの特殊経歴は…学校も知っている分
やや特別待遇と言った所だろうか?こういう時は皇太子様のご威光も大した物だ

同じ行政エリア内の移動だ、さほど時間は掛からずに目的地には到着したのだが
俺を出迎えた学生寮の門番は、何故か困惑気味に困り顔だ
遅れて出てきた寮長は、しどろもどろに学生が、電算室に立て籠もっている事を告げる

こうこうと明かりが灯る廊下、学生寮は真夜中の騒ぎに騒然としていた
殆どは野次馬根性のガキどもだが、突然現れた俺の姿を観ると
慌ててそこいらの部屋に逃げ込み、じっとコチラの様子を伺っている

明るすぎる廊下とは裏腹に、電気を落としたままの電算室は妙に暗く
教員の一名がしきりにドアを叩き、中の者を呼びかけているのだが
籠城を決め込んだ相手は、ガンとして扉を開けようとはしない
しかも…小生意気な事にも、内側から魔力で封印をかけているようだ

「おい…クソ忙しい俺を呼び出しておいて、その態度は無いんじゃないか?ルーク?」

少しドスのきいた声で、俺が内側の奴に語りかけると、小さな声がかえってくる

「エース長官?すみません…こんなつもりでは…こんな騒ぎになるなんて
お願いです…みんなを出来るだけ遠ざけてください…この姿を見られたくない」

姿を見られたく無い? 切羽詰まったその言葉が、震えている事だけは解った
俺は取りあえず関係者全員を別棟に移動させる、がやがやと去ってゆく彼等を見送りながら
すっかり静かになった事を確認してから、念のため俺も棟全体に結界を張り巡らす

「そら誰も居なくなったから、安心して出てこいよ、ルーク」

ガキどもが居なくなって幸いと、煙草に火を灯しながら、
俺は未だに閉じられたままの扉に呼びかける
酷く動揺しているらしいルークは、それでもなかなか出てこようとはしない
仕方がないな…この一服終わったら、ドアを蹴破ってでも引っ張り出してやる
腕を組んだままそう思案していると、カタンと音がして扉がゆっくりと開いた

俺とした事が、思わず…ぽとりと煙草を落としてしまった

暗闇にも淡く光る金色の髪と、耳の横から伸びる純白の翼
まさか【天使】に戻ってしまったのか?いやそのワリには…
顔には白く変容したまま、くっきり水妖の【悪魔】の紋が入っている上
力の波動は間違い無く【魔族】のモノだ… その上更に本魔を動揺させたのは
着乱れたシャツの下から覗く、本来は無いはずの胸の膨らみだろう

何?お前、雌雄同体タイプだったのか???

「どうしたらいいのか…解らなくて…」

仮眠から覚めたら…こんな事になっていて
校医にも診せられない、他の学生にも誰にも見られたく無くて
ここに閉じこもるしかなくて、ごめんなさい………

ぼろぼろと泣き濡れた目は、擦りすぎただろう真っ赤に腫れあがっている

【性転換】事態は、魔界ではそれ程珍しい事では無いのだが
そういう種族であると言う自覚が、本魔にも周囲にもあればの話だ
唐突にチェンジすれば、どんな奴でも動揺はして当たり前だろうから

その上、何故「白い姿」に変化しているのかも解らない

年若い野郎ばかりの仕官学校で、【性転換】してしまうのも問題だが
この「天使もどき」の姿も非常に不味い 魔族の加虐本能をかき乱す
そういう意味では…咄嗟の事とは言え、教員にすらその姿を見せず、
立て籠もった選択は正しかったとも言える 今後の立場も考えれば特に

戸口に縋り付き、ただ小刻みに震えているルークを抱き寄せると
腰まで伸びた金の巻き毛を、ざっくりと纏めてやり
上着を脱いで被せてやると、すっぽりと髪と白い翼を覆い隠してやる
すると…少しは安心したのだろうか?胸元にしがみついてくるルークの鼓動が
バクバクと早鐘の様に乱れていたソレが、徐々にゆっくりと落ち着いてゆくのが解る
心なしか?一回り小さくなった身体は、妙に華奢に感じる
俺のシャツに縋り付くその力も、酷く弱々しい

「心配しなくていい…性転換は珍しい事じゃないからな」

他の奴には?ダミアンかゼノンには連絡は入れたのか?
出来るだけ優しくそう尋ねれば、ぶんぶんと首を振る

「そうですね…直接、ゼノン先生に連絡を入れるべきだったかな?」

自嘲気味にそう言いながらも、紫色の目が真摯に俺を見上げ懇願する

「お願い…殿下には、ダミアン様にはこの事は言わないで………」

まるで悪魔になった事が、不満だったみたいだ…こんな姿
この姿は、あの方を傷つける事になるから…お願いだから言わないで

お前が「天使もどき」の姿になった事で、ダミアンが傷つく???
奴がそんなタマだとは思わないが?
むしろ?天界サイドに近いモノを喰らう事を好む、王家の悪癖を思えば…
ご執心のお前がそうなった事を、オカワリとばかりに?逆に喜びそうにも思えるのだが
お前がそう思うなら、まぁ仕方が無いか………

更にポロポロと泣きはじめる、その額にキスをしてやり宥めてやった

「解った…アイツには言わない、だがゼノンの診察は受けような、ソレでいいな?」

※※※※※※※※※※※※※※

先に部屋を出た俺は、関係者に「初めての性転換現象のパニック」と言う事だけを伝えた
思春期の子弟を預かるココでは、この様なケースはそう珍しい事では無い
たいした詮索もされずに、往診の為の外泊が認められた、誰にもその姿を見せぬ状態で
種族や家柄によっては、繊細な問題に発展する事もあるからだ、ココは理解があって助かる
また本来は男性であっても、男子寮に女性体を放置しておくワケにはいかないからだ

とりあえず…翌朝には、内密に文化局に連れてゆくつもりだったのだが
アポを入れるつもりでゼノンのホットラインに連絡を入れてみれば、都合良くまだ起きていたようだ

「誰にも見られたくないなら、今すぐ看てあげるからおいで」

のんびりとした口調で、端末画面の中のゼノンがそう言うと
腕の中で小さくなっていたルークは、またポロポロと泣いている
まぁ落ち着かせる為にも、出来うる限り早めに連れて行った方がいいだろう
下手に俺の屋敷に連れ込んだとなると、また水妖の将軍が怒り狂うのは目に見えているから

その足で文化局に到着すると、正面玄関まで局長自らが、迎えに出ていた
他に誰も居ない事を確認すると、ゼノンは馬車の中まで乗り込んでくる
大きめのタオルでふわりと患者を包むと、そのまま抱き上げて連れて行ってしまった
べそべそと泣きながら、ゼノンの肩にぎゅっとしがみつくルークを見て
少しだけ苛つきを感じている自分に驚いた 思ったより執着しているのか?アイツに?
転魔以来の主治医と患者なのだから、極当たり前の行為だろうに

「なんだ…急患を迎えに行っていたのは、殿下じゃなくてお前だったのか」

意外そうな声に振り返れば、眠そうな目をしたゾッドがソコに立っていた

「王都に帰って居るのなら、お前も連絡くらいよこせ」

ついでに四の五の言わずにデーモンの所にも顔を出せ、喜ぶだろうからアイツも

「別にそんなモノ出さなくでも、俺の帰都なんざ、お前のトコは把握済みだろうに
師匠のご機嫌伺いが済んだら、明日にでも寄せてもらうつもりだったけどな」

ゆっくり休暇を楽しむつもりが、おちおち寝ても居られねぇな…
ゾッドは生あくびをしながら門を閉める コイツがココに出てきたと言う事は
極内密の患者と扱いと言うワケか? 局員にすら診せないつもりか?

「アレは…この間の堕天使の坊主だよな?なんだ元に戻っちまったのか?」
「いや…ナリはあんなだが、面の紋はそのままで、力の波動は間違い無く悪魔のソレだ
どうも性転換の副作用で白くなったらしいが、アイツも良く解らないらしい」

もう害は無いと言っていたが…万が一?あの翼の化け物の後遺症とかだったら厄介だろ?
俺は俺なりに心配しているのだが、不意にゾッドは豪快に笑った

「ああ…成る程そういう事か、だから助手はシュウじゃなくて俺なのか…」

腑に落ちない顔をしているエースの背中を、ゾッドはポンと叩いた

「まぁ精密検査をしてからのお楽しみって事だ、来いよ…俺達には暫く出番は無いだろうから」

※※※※※※※※※※※※※※

診察台の上に横になっているルークは、不安気に診察を受けていた
CTスキャンを念入りに取られている様子を、隣接する部屋の窓からじっと見る

全裸になった【天使もどき】のルークは…元の黒とは違う色香はあるものだな
寄生生物に取り憑かれ封印されていた、あの時とはまた全然違う感じだ

もし顔の紋が無ければ…女性体ではなく無性体であれば、まるっきり天使だ
身体の外に全部出した12枚の翼は、全て白銀に淡く光っている上に
あの金の髪は…純粋な白とは違うダミアンの近いソレは、禍々しいさも込めて艶やかだ、
道中聴いた話では、中性とからかわれるのが嫌で、最近は短髪にしていたと言うから、
身体の変化と同時に腰まで伸びたのか???

「念のため…翼手の組織検査もしたけど、特に異常なしだねぇ…」

のんびりとした口調で、データーの全てに目を通すゼノンと
意味深な顔でニヤニヤするゾッドに、俺は少々イライラしながら詰問する

「何処も悪くない事は無いだろう? 性転換するだけならともかく、白くはならんだろ?」

職務上、俺もそれなりの数の堕天使は、知ってはいるつもりだが…
一度【黒】に堕天した者が、元の姿に戻るなんて、通常なら有り得ないはずなのだが
それに…寄生生物の翼は確かに白色だったが…
天使と悪魔の混血児のルークの生来の翼の色は【濃紫】だったはずだ
単純な【属性返り】なら、ソレを飛び越えて「白色の翼」に成るワケが無い

「まぁ…彼は特殊だからね、堕天使とは言っても、混血種だからねぇ
何より父親の血も母親の血も強すぎるから、他の堕天使達とは一緒に出来ないよ
更に強いマインドコントロールも受けていたからね、精神的な要因も大きい………」

堕天する前の天使は、確かに【無性生物】だけど、
元々の精神的に男女のドチラかに偏っている場合は、その性別に
或いは禁を犯した相手によって、どちらの性別にもなれるよね?
それって…裏を返せば?【潜在的な両性具有】とも言えるんじゃないかな?

まぁ並の堕天使なら?一度【決定】した性別を覆す事は無いけど…
彼は最初から男性体だった分、女性体になる用意も事前に身体の中にあった?
そう考えても、あながち突飛で無理な仮説では無いんだよね

「じゃあ白くなった理由は?ルークはもう完全に【堕天】してるんだぞ」
「君も案外鈍いねぇ…【黒】に浸食されたのは男の子の方だけでしょ、
女の子の方はまだ【清い】ままだから…そういう事なんでしょ?多分?無意識的に?」

それだけガッチリ残っているんでしょ?無意識下に【純潔信仰】が
なら…もう一度黒に染め上げてやればいい、ただソレだけの事じゃない?
問題は相手だよねぇ…勿論他言は無用で、信頼出来る相手じゃないとね

「中途半端な【天使返り】は、今後患者のウィークポイントにもなりうる、
だから極力【水妖の関係者】にも伏せておいた方がいい…
だからシュウではなく、俺を叩き起こした上での真夜中の診察、そういう事でしょ師匠?」
「おや…お前にしては上出来な答えだね、ゾッド」

柄にもなく褒められた事が嬉しかったのか?
壁に背を突き、腕を組んだままの巨漢の悪魔の尻尾が、嬉しげにわさわさと揺れる

「すると何か?普通に抱いてやれば、色だけは【黒】に戻るって事か?」
「有効な手段として、試してみる価値はあるけど、どうする?ダミアン殿下に連絡する?」

今夜はもう遅いけど…お気に入りの彼の事なら、飛んでくるでしょう?殿下も?
ちょうどいいんじゃない?精神的な要因が大きそうとは言え、補填する魔力は強い方が良さそうだし?
そう言って、皇太子殿下のホットラインに連絡を入れようとするゼノンを、エースは制止する

「いや…ソレは不味いな、アイツは、アノ姿をダミアンにみせたくないと言っていた
ダミアンに気づかれない内に【黒】に戻りたいと、呼ばれたのは俺だ、俺がやってやるよ」
「そんな事言っていいの?後で殿下に恨まれても、僕は知らないよ…」
「ふん…【リングの破壊】は、最初は間違いなくアイツだったのだから問題ないだろう」

確かに…今のルークは魔王宮勤めからは、一時身を引いている身分ではあるが
飽きられ暇を出されたワケでは無い、皇太子殿下の色小姓に公然と手を出すとは
不敬罪もいい所なのだが…皇太子殿下とエースの身分を越えた、親密な関係を思えば、
ソレも許されてしまうのが凄いよね、ソレだけは恐れいるよ本当に

「まぁ…彼がどうしたいか、もう一度確認してからでもいいよね」

ゼノンはため息をつくと、マイク越しに中のルークに呼びかける

「待たせたね…ある程度の診断結果は出たよ、今からそっちに行くから待っていて」

※※※※※※※※※※※※※※

患者の俺にも検査結果を全て見せてくれる、ゼノンのやり方には安心するけど
自分の中にまだ【天界人】らしい所が、残っていた事実に唖然としてしまった

もう【決別】したつもりだったのに…未だに天界の価値観が無意識下に残っているの???

性転換の直接の原因は、遅れを取り戻したい焦りから、勉強に根を詰めすぎた「過労」と
成長期におけるホルモンバランスの崩れだそうだ、完全に魔族化した以上
元々不安定な性別が、片方に安定するまで、一時的な性転換は今後も起こりうるらしい

「天界人に戻りかけているのではないか?」と言う最大の不安は、理論的に解消され
思わずその場で腰が抜けそうな程、安心はしたのだけれど

問題はこの「天使もどき」の姿を解消する方法の方だよね………
確かにその仮定には納得したけど………そんな事で、コレが戻ったりするのだろうか?

「前の時とは違うんだから、相手は君が選んでいいんだよ」

少なくても、今ここに居る面子なら、この事が絶対外に漏れる事は無いから安心して
殿下がいいならすぐに連絡は入れるよ、他に希望する相手が居るならソレでもいいけど…どうする?
公衆の面前で唐突にそんな事言われても…どう答えていいか解らないよ…恥ずかしいよ

「まぁ変な禍根を残さないと言う意味では、皇太子殿下が一番なのだろうけどな…」

俺がワザと「ダミアン」とは言わずに、「皇太子殿下」と言えば
うつむき加減だった紫色の瞳が、キッと俺を睨んでくる

「駄目だよ…こんな姿は殿下には絶対に見せたくない…早く元の姿に戻りたい」

そう言うと、ルークは腰掛けていた診察台を降りると、ツカツカと俺の前に進み出る

「貴方なら…もう一度抱かれても…同じ事でしょう?
早く元の自分に、学校に戻りたいんです、宜しくお願いします………」

艶やかな姿のワリには、また色気の全然無い誘い方だなお前も
そういうクソ真面目でお堅い所が、まだ天界人サイドの思考回路なんだよな

身元を引き取ってもらった、水妖の都で悪魔らしい生活を送るワケでもなく
直ぐさま、野郎ばかりの学生寮なんざに、とんぼ返りで入寮しちまうから
適度な【遊び】を覚える暇も無かったんじゃないのか?学問優先で?
自戒もいいが…そんな身体に悪そうな事をしていやがるから、
欲求不満で身体に変調をきたしたんじゃないのか?コイツの場合は特に???

ゼノンの診断結果に多少は安心したのか?真っ直ぐにコチラを見上げては居るが
その瞳の奥は…先程までとは違う意味の不安に揺れているようだ

「知らない仲じゃないからな、俺は構わないが…いいのか?
俺のは処女にはキツイんじゃないのか?よく知ってるだろ?」

少し意地悪くそう答えてやると、以前の何かを思い出したのだろう
肩を抱き小さく震える身体が妙に可愛らしい、やれやれ片意地を張るのも大変だな

「無駄に脅かしてどうするんだよ、悪い癖だなエース…可哀想じゃないか…
別にいいんだぞ坊主、こんな意地悪野郎で、無理に妥協しなくても」

全く面識の無い奴の方が、気恥ずかくないのであれば…
明日の晩まで待てるなら、俺が安全な相手を、適当に見繕ってきてやるよ
余計な助け船を出そうとするゾッドを、緑色の瞳がギンと睨みつける

「お気遣いありがとうございます…でもある程度知っている悪魔の方が俺も安心出来る」

時間が掛かった前回の事を考えれば、一回で元に戻れるかどうか解りませんし…

そう言って丁寧にゾッドに頭を下げる様子に、暴れ者の奴も面食らった様だ
気の毒そうに目の前のルークを見下ろしている

「話は決まりだな…ゼノン、何処か部屋を貸してくれ
いくら何でも、診察室での公開SEXじゃお嬢さんに失礼だろ?」

ニヤニヤと笑う俺に、ゼノンはカード式の鍵を差し出す

「廊下を出て右に行った所に、来客用の部屋があるから御自由に
ソレと今後の治療の為に、記録映像を撮らせてもらうけど…ルーク、大丈夫かな?」
「はい…公開されるワケでは無いのであれば………」

自分で選択した事だと言うのに、この期に及んでも、
まだ不安そうなルークを、俺は背後からふんわりと抱き上げてやる
ゴテゴテと過剰に翼の生えた、派手な見た目のワリには、
相変わらず筋肉の少ない軽い身体だな、性転換を差し引いても、ちゃんと喰っているのか

「そういちいち怯えるな、悪い様にはしないから……
職務上酷い事はしたが、痛い事は…しては居ないはずなんだがな…」
「エース長官…」
「学校での躾か?エースでいいぞ、何時までも他人行儀なのは気持が悪い
ちゃんと気持良くしてやるから、忘れられない夜にしてやるよ」

おずおずと首に回ってくる細い手首、抱き上げた腰を支えてやりながら
俺はその黒い唇を貪ってやる、相変わらず不慣れなソレもまた妙に可愛らしい

ダミアンには悪いが、女の方の初めては俺が喰らわせてもらう
何だかんだ言っても、このお堅いクソ真面目を俺も気に入ってしまった様だから




続く

R-18付けておきながら、本番が無いじゃないの!!!!
腐女子の皆様のブーイングが聞こえて来る様ですが
ご安心ください、次回はがっつり!はっきり!ありますから
天使ちゃんバージョンの参謀は、エロテロリストの人魚ちゃんと違って
奥手すぎるので、どうしても前置きが長くなっちゃうんです(;_;)(;_;)(;_;)

それも含めて楽しんで頂けると、幸いでございますm(_ _)m

しかし…天使ちゃんバージョンに御出演の長官って(-_-;)(-_-;)(-_-;)
他と比べると?若干?柄が悪くなる様に感じるのは、私だけでしょうか?
う〜ん謎ですね (-_-;)(-_-;)(-_-;)

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