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ねぇ、笑って?<最後は甘々>




今日は日曜日。



学校は休み、なのに雲雀恭弥は学校の応接室にいた。

学校は黒曜、なのに六道骸は並盛中の応接室にいた。




つまり、この二人は同じ部屋で同じ時間を過ごしている(※現在進行形)












骸が窓から応接室に侵入してきたとき、初めは雲雀も『帰れ』だの『咬み殺す』だの文句を言っていた。
そのまま窓から突き落とそうとしたほどだ。
しかし、うまくかわされたうえに、結局浸入を許してしまったのだ。





「お邪魔しますね」

「……」



そう言って、骸はソファに腰かけた。
雲雀はその様子をムッとした顔で見ていた。

こうなったら骸はなかなか帰らない。
と、雲雀は知っていたから…







いつからか、骸がよく応接室に来るようになって、気づけばそれが当たり前になっていて、いつの間にか…二人は付き合っていた。









仕事もあるし、仕方ないと思った雲雀は、骸をそのままに、再び書類と向き合い、現在に至る。











「……」

「……」

二人の間に沈黙が流れる。
そんなこと雲雀は気にしていなかった。

何よりも早く仕事を終わらせて、骸との時間を過ごしたい。
そんなこと思ってても口には出さない。
それが雲雀だ。



なのに…





「…雲雀くん」

「……」


なんでこいつは邪魔をするわけ?

そんな雲雀の思いは届かず…




「無視しないでくださいよ」

「……」



無視したくてしてるわけない。




「雲雀くん?」

「……」



仕事さえ終われば…







「…すみません」



早く終わらせなきゃ…




「……え?」



今、なんて言った?



雲雀が書類から顔を上げて、骸を見れば、そこには困ったように笑う骸がいた。









「…帰ります、ね」



なんでそうなるの?


突然のことに雲雀は頭が回らなかった。
ただ、骸が自分の横を通り過ぎて、入ってきた窓に足をかけて……出ていこうとしていた。











「……やだ…っ」



考えるよりも先に、体が動いていた。
ぎゅっと骸の腰にしがみつけば、骸は目を見開いて驚いていた。







仕事なんてどうでもいい。
ただ、骸に傍にいてほしい。

骸がいなきゃダメなんだって、気づいた。








少しの間、二人の時間が止まった。

引き止めたのはいいが、この後どうしたらいいのかと、雲雀はとまどっていた。
すると、ふわっと何かが頭に乗った。
おそるおそる骸を見れば、そこにはさっきの困ったような笑みではなく、嬉しそうに笑った骸がいて…優しく雲雀の髪を撫でていた。

それがなんだか気持ちよくて、もう少しこうしていたかったけど…




「座りましょうか?」



骸がそんなことを言うもんだから、おずおずと雲雀は骸から離れた。
そして二人は自然に、ソファに隣り合って座った。









「…普段からあれほど素直ならいいんですけどねぇ」

「うるさい」





ああ、やっぱり骸が隣にいることはこんなにも心地いい。

雲雀はそう思うと、そっと笑みを見せた。
骸に気づかれないように、と…






「クフフ…可愛いですね」

「何見てんの」

骸の一言で、雲雀の表情は一瞬でムッとしたものに変わっていた。

気づかれないようにしたつもりだったのに…
雲雀は心の中で舌打ちした。






「クフフ…」

「その笑い方、どうにかなんないの?」

まだ笑っている骸に、雲雀は機嫌が悪そうに言った。





「なら、どう笑ったらいいんです?


雲雀くんがやってみてください」




そう言われると、雲雀は眉間に皺を寄せて固まってしまった。


「……」

「どうしたんですか?」

骸は楽しんでいるような笑みを浮かべながら、雲雀の顔を覗き込むように見た。
雲雀といえば、眉間に皺を寄せたままで…
そしてチラッと骸を見ると、



「…でいい…」

「え…?」

「そのままでいいよ、君は」

ボソッと言われたその言葉は、ちゃんと骸に届いた。
その答えに骸は残念そうに、

「笑ってくれないんですか?」

「……」

その問いに、雲雀はプイッと顔を逸らす。






「…まあ、先ほど見れたのでよしとしましょうか」
クフフフフ…

骸のその言葉に、雲雀はほんの少し顔を赤らめていた。
それをごまかすかのように、


「やっぱキモい」

「(ガーン)」


今どき体育座りでいじけだした骸に、雲雀はため息をつくと、ボソッと口を開いた。




「…それでも、嫌いじゃないから…」



「…っ恭弥」

「……っ」

ぴくっと反応したかと思うと、たちまち嬉しそうに笑う骸。
そしてそのまま雲雀は骸に抱き締められた。
おまけに、いきなり下の名前を呼ばれ、本格的に雲雀に顔は赤くなる。












『好き』と素直に言えない自分に、少しイラついたけど…まあ、いいか。


いつか素直に言えたら…
笑えたら…


君もまた、笑ってくれる?









今は無理でも、僕は君が笑ってくれるまで待ちますよ。
いえ…きっと笑わせてみせます。



だから…








『ねぇ。笑って?』














end...


























あとがき



やはり私の書く話は長くなる傾向があるもようです。。
無駄に長ったらしくてすみませんっ;
そして内容も意味不明&駄文!!


とにもかくにも、これが初の骸雲小説ですっ
私の書く骸はちょいと変態ですね。。
きっとこれからもこんな感じです、はい。


ほんと、文才なくて申し訳ないです↓
こんな駄文でしたが、最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!
これからも更新頑張りますっ




2007.1.5

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