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送信完了<甘々>









『おめでと』




思い出すだけで熱くなる顔と零れるため息。
昨日…ただしくは今日送ってしまったそれは、


君に届いてしまったのだろうか……





覚えていないと言ったら嘘になる。
ただ、ぼんやりとした意識の中、僕は何を思っていたのか…わからない。

自分のケータイを見れば残っている0時ピッタリに送られたメールの履歴。
気にしないようにすればするほど思い出してしまって、僕の顔はくしゃりと歪む。




そのときの君は

どんな表情をしていたんだろうね





そしてそれを消すように、躊躇いがちな指でそのメールを 削除 した。
こんなことしたって、送ってしまったものは消えないのに。






君の反応が

君に会うことが




怖かった。






おかげで学校に向かう足どりは重く、何度ため息をついたのかわからないほどだ。
応接室に着くなりパタンと静かにドアを閉め少し中へ入ったところで、ついにその足は止まってしまった。







「はぁー…」

そしてまた、ため息。
誰もいないはずの応接室に、響いて耳に残る。




その瞬間、


ふわりと鼻を掠めたのは







君の香りだった。













「ため息をつくと幸せが逃げますよ?」




「む、くろ?!いつの間、に…っ」


慌てて距離をとろうとしたけれど、後ろから回された腕は思いの外強く、逆にぎゅっと抱きしめ直されてしまった。
息がつまる、胸が苦しい。







「クフフ、ずっと雲雀くんの傍にいましたよ?」

さっきので、ため息6回目です。


そう後ろで言葉を続ける骸に、思わず目を見開く。

ここに来るまで何度ため息をついたのか自分でもわからなかったのに、骸は知っていた。
まあ、それが正しいかなんて誰にもわからないんだろうけど。
でも、少なくとも6回のため息を聞かれてるわけだから、その間は僕の近くにいたはずなんだ…
ため息が聞こえるくらい近くに。


僕が、気づかなかったなんて…






「…っ離して」

なんだか悔しくて、この状況から逃げ出したくて…抵抗しようと振り上げた右手。
それはパシッという軽い音とともに、骸に捕らえられてしまった。



そして耳元で聞こえた、






「僕の幸せを分けてあげましょうか?」





君の声。







「何言っ…


僕が振り向くより先に、頬に当てられた骸の手によって後ろを向かされる。
そして最後まで言えなかった言葉は、骸の唇に吸い込まれてしまった。









「…ん、ん…っ」


思っていたよりも長い口づけに、顔だけ後ろを向いている体勢は辛くて。
そのことに骸も気づいたのか、掴んでいた僕の右手を離すと空いた手をすぐさま腰に回し、ぐっと引かれた。
必然的に骸と密着するような形で向き合うことになり、僕の手は自然と骸の服を掴んでいて、思わず顔が熱くなる。

それでもやっと離れた唇に、ほっと息をつこうとしたその隙をつかれ、長かったキスは深いものへ変わった。






「も、やめ…っん、ふ」



抵抗しようにも、すでに手には力が入らなくなっていて、ただ骸の服を掴んでいることが精一杯だった。
堪えるようにぎゅっと目を閉じれば、最後にペロリと唇を舐められてやっと解放される。
早く酸素を取り込もうと肩が上下に揺れた。







「何、考えてるの…っ」

「僕の幸せを分けただけです」


息が上がっている僕に対して、にっこり笑いながらさらりと答えた骸に、僕は眉を寄せた。

なんで…








「そんなの……いらない」



だって今日、は…







「僕は今、すごく幸せなんです」


「え…?」










「嬉しかったんですよ。



君が…僕の誕生日を覚えてくれていたことが」




…それ、だけ?






「…バカじゃないのっ」



そんなの僕の中では当たり前で、

僕は、ただ…








「雲雀くんが、1番でした」


「…っ…」





1番に伝えたくて、

1番に骸の誕生日祝いたくて…







「ありがとうございます」

「別に…」


骸が本当に幸せそうに笑うものだから、僕はなんだか恥ずかしくなって目をそらした。
…少しだけ、ほっとしたんだ。




でもそれだけじゃなくて、













「僕『も』好きですよ」



「!…気づいてたの?」




「クフフ…」

骸はどこからか自分のケータイを取り出してパカリと開くと、それを僕に見せてきた。
そして目の前でゆっくりとスクロールされる。






僕が伝えたかったのは
『おめでとう』の一言だけじゃなくて…




ずっとずっと下に打った言葉。







DATE 6/ 9 0:00
FROM 僕の雲雀くんv
SUB (non title)
――――――――――
おめでと






















好き







(骸の、1番になりたかった)
(そんなの…今更、ですよ)




送信完了...


(Buon Compleanno!)














end...


























あとがき



なんかもうっ…

すみませんでしたぁぁぁああ!!!orz


気づいたら独占欲の強い雲雀さんになってましt(殴)
そしてなんだか乙女な雲雀さn(咬殺)
誕生日って1番に祝いたいですよねっ、私もそんな一人です!←
0時ジャストのメールってときめきを隠せないですv、誰ですか睡眠妨害だなんて言ったのは…!(言ってねぇよ)

それと無駄に改行の多い文ですみませっ;(まったくだ)
少しでも楽しんでいただければ幸いです^^
打っててものすごく恥ずかしかったというのは内緒で…っ(わぉ)



Happy Birthday to MUKURO !!




2007.6.9

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あきゅろす。
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